諸君 私はトラブルが好きだ

HELLSING 7 (ヤングキングコミックス)
周到に計画していた予定表が滅茶苦茶にされるのが好きだ
必死に守るはずだった納期が蹂躙され
同僚が関係各所から誹りを受けている様は とてもとても悲しいものだ

しょっぱなから「HELLSING」ですまないけれど、本当にトラブルが、不測の事態が起こるのが好きなのだ。調整に立ち回り、方針を決定し、悠々と指示を出しているときに、なにより仕事をしている実感が沸いてくる。
全く単純な連絡ミスに押し潰されて殲滅されるのが好きだ
人災の後処理に追いまわされ
害虫の様に地べたを這い回るのは屈辱の極みだ

とはいえ、自分はこういう時の対処がまだまだだである。もっと泰然自若とした態度で臨まなくては一流のトラブルバスターとは言えないだろう。自転車で例えたならば、まだまだギアが軽すぎるのだ。回転ばっかりしてちっとも前に進まない。ギア比が高ければ、態度は重く、力強く前進することができる。腰軽ではいけないのだ。自分はかなり才をひけらかすというか、雄弁は銀、というところがあってダメだ。一撃の重みが足らない。方向性は正しくてもこれでは人はついてこない。根回しも熟慮も足らない。
その点うちの大将はたいしたもんだと思う。悠然、寸鉄釘をさす。仕事の中で、経験とか知識の蓄積じゃないところで素直に後塵を拝することを容認できる人間に出会ったのは初めてだ。ただ努力を積むんじゃなくて、きっちりマインドアセットしないと届かない領域にある人、と言えばいいか。そういう意味では今回の異動は幸運の極み。追いつけなくても仕方がないが、この一年の間になるたけレベルを近づけたいと思う。
 
不測の事態に際したときこそ、自分の力が、計画力と準備とコミュニケーション力と直感力と判断力と度胸とが、すべての能力が俎上に上げられ試されるチャンスなのだ。だから私はトラブルが好きだ。ピンチはチャンス。むしろピンチ"が"チャンス。トラブルこそが人を成長させる。