続・投資と投機の違いって?

id:honto117さんからコメントをいただきました。せっかくですのでこちらでお答えしようと思います。

# honto117 『多分誤解されているようなので、付け加えさせていただきたい。

>しかし僕は配当は企業にとってはマイナスであるし、株主であるわれわれにとってもマイナスだと考える。
この論理は変です。投資家は、貯金をする代わりに株券を買うのですから、当然無配当の方が良いなんてことにはならないと思います。配当を人件費、株主を社員に置き換えてみてください。

>株価が企業の価値以上に膨らんでしまったとき、株式投資は投資から投機に変わり、
変わらないと思います。割高割安のタイミングを計ってキャピタルを追い求める行為を投機と表現したつもりなのですが。

その内、貯蓄と投資と投機の違いについても言及したいと思います。気が向いたら。』 (2006/03/31 13:09)

ふむふむ。
株式投資を貯金と同じく考えること自体が誤りではないでしょうか。投資先の企業が利益を上げなければ配当はもちろん、企業が存続していくことさえもできません。配当を行うことは株主にとって(一時的には)プラスに思えるでしょうが、投資先の企業は同じだけのお金を失っている、つまり企業価値が損なわれているということを考えれば実際にはプラスマイナスゼロ*1なのです。繰り返すようですが、再投資することによって企業は事業を拡大し、利益機会を拡大させることができる、つまり複利の効果を受け取ることができるのです。配当は単利に過ぎませんし、企業の投資機会を奪ってしまうのです。よって、株主のことを考えても内部留保した方が有利です。
ただし、これは成長する余地を残している企業に限られる投資戦略だと思います。成長するために内部留保する。しかし、これ以上の成長を見込めない企業であれば内部留保をせずに配当するのも良いと思います。
それでもなお、「貯金をする代わりに株券を買う」というところには納得がいきません。株式投資とは、企業をお金を生み出すマシーンとして捉えることでしょうか? 私はそうは思いません。今後伸びていく企業に出資し、その成長を応援するために株式を購入すること。そして、企業が十分に成長し、株価も上昇したところで売却し、新たな投資先を見つける。このことが真の株式投資であるし、真の長期投資であると思っています。よってインカムゲインは投資であり、キャピタルゲインは投機であるという主張はおかしいと感じるのです。
しかしながら、こういう意見の食い違いというのは投資スタンスが違えばかならず生まれるものですよね。私は「投資先の企業が成長することが株主の有利になる」と考え、id:honto117さんは「配当を受け取ることが投資であり、売買益を求めることは投機である」と考える。100人の投資家がいれば100通りの理論が存在するわけです。違う投資観を今回は教わることが出来てとても有意義でした。"おとなり日記"って画期的ですね(^^
 
>>その内、貯蓄と投資と投機の違いについても言及したいと思います。気が向いたら。
ぜひともお願いします。期待しております。

*1:投資機会を失うことを含めればむしろマイナス