噂の完全栄養食品「All in Pasta」を食べてみた
日清がリリースした完全栄養食パスタを食べてみた。
謳い文句によると、一日に必要な栄養素の3分の1が1食に含まれているため、理論上、3食をこのパスタで済ますことによって完璧な栄養バランスが期待できる、とのこと。
自分も昼ごはんは、生野菜サラダ+チキン+雑穀系+スープとして割合に気を使っている方なので、ちょっと試しに買ってみることにした。
実食
味はボロネーゼ、ジェノベーゼ、アラビアータの三種類。とりあえず一番おいしそうなボロネーゼから攻めてみた。
作り方はいわゆる普通のインスタントパスタと同じで、お湯を入れてソースを蓋の上で温めて、6分待ったらお湯を捨ててソースと混ぜていただくだけ。
見た目は悪くない。
が、味がやばい。メカニカルな味がする。
なんというか、地球人を拉致した宇宙人が、見た目だけコピーしたパスタを出してきた感じ。
炭水化物を使った黄色い麺と、ひき肉ではない、合成されたタンパク質の塊が含まれる赤いソースを混ぜたもの、という印象。
麺の食感はボリボリ、グニグニしていて輪ゴムのようで、しかもほのかな苦味がする。
「しかもおいしい」とは。
続いてアラビアータを食べてみると、ボロネーゼよりもだいぶマシだと感じた。
ソースが辛いので、辛さ以外の味をほとんど認識できないのが功を奏したかもしれない。
今回のラインナップは普通のパスタソースを目指したものが多いけど、激辛カレー味とか麻辣味とか、山わさび味みたいな方向で攻めたほうが安定かもしれない。
そして最後に残ったジェノベーゼは、深淵を食べている味がした。
圧倒的な空虚。
虚構の食べ物。
無、無、無。
これが、草を食うような人生か。
これはいけない、と、常備しているサラダチキンと豆類を投入するとようやく実体感が出てきた。
- 出版社/メーカー: キユーピー
- メディア: 食品&飲料
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真空パックされて常温保存できてそのまま食べられるサラダチキンも相当に宇宙世代な食べ物だと思うんだけど、それでもやっぱり「チキン」であるという主張は力強い。
豆も、噛むと豆の味がして「自分は豆を食べている!」という、地に足がついた安心感がある。
おまけを投入するとかなり食べれるが、そうなると本体価格600円にサラダチキンと豆が100円ずつで、トータル800円という金額になってしまう。普段の倍である。
しかも普段の生野菜サラダ+スープでも、栄養バランス的にはあまり大差ないはず。
せめて美味しければ高くてもときどき食べてみようかと思うんだけど、もしくは半額でこのぐらいの味ならばまだ我慢するんだけど、どちらでもないので酔狂な食べ物になってしまっている。
カップラーメンを完全栄養食にしようという試みは評価するものの、現状では化学合成された感が強すぎて大変だった。
よくSFもので、
「また人工肉か…たまには本物の肉が食いてえなぁ…」
みたいな台詞があるけれど、それを地で行く(嫌な)近未来を味わうことができる。すべてがイミテーションで、それに比べると自分で混ぜたレトルトの豆の、リアルな食感にさえ感動できる。
まあ、いつもの昼食にSF感を求めたいかと言われるとちょっと違うのだが。
アラビアータはスパイシーで味がごまかせるので、それほど悪くないし、ソース焼きそば(UFO風)とか、汁無し坦々麺とか、ジャンクな方向で攻めたほうが良かったのではないか。
現時点ではリピートはありえないけど、改良された新味が出たらまた食べてみたいとは思う。