低温調理ならぬ、高温調理ローストチキン

スーパーで骨付きの鶏もも肉が安くなっていたので衝動買いしてしまった。

骨付きだと肉が分厚いので普通にフライパンやオーブンで焼くと表面はコゲコゲ、中は生焼けという悲惨なことになりがちなので、いつもどおりANOVAを使って低温調理にしようと思ったのだ。

しかしレシピを調べると60℃で3〜4時間とある。日中から仕掛けられるのならまだしも、夕方からこの時間量はちと厳しい。

というわけでちょっと手抜きをして、低温調理ならぬ高温調理で片付けてしまうことにした。

要はジップロックに入れた鶏ももを大鍋に入れて下煮することで、オーブン調理を簡単に仕上げてしまおうということである。

手順

まずは圧力鍋などの大鍋に湯を沸かしておく。

その隙に鶏肉に塩コショウをしてハーブを振って、ニンニク・生姜・コンソメを加えてジップロックに入れ、オリーブオイルを加えて空気を抜き、鍋に入れる。

お湯は一旦沸騰させて、鶏肉が入って温度が下がったところで弱火にするとギリギリ沸騰しないくらいの温度を保てる。

普通に下茹でせずジップロックに入れてしまう理由は、肉の旨味が茹で水に逃げるたり、多すぎる水や沸騰する泡で肉が加水分解されてしまうことを防ぐためだったり、ニンニクなどの香りをしっかりと肉に染み込ませるというためでもある。

通常は冷蔵庫などに丸一日寝かせたりするけれど、温めている間に鳥の中の水分がジップロック中のオリーブオイルと置き換わり、香味が肉の間に染み込みやすくなるのではないかという期待もある。


30分立って鳥を取り出すと、骨周りだけが赤く、表面は白く色づいていた。まだ生煮えなので肉はしっかりしており、箸でつまみ上げてもほろほろと崩れたりしない。

オーブンの平板にキッチンペーパーを敷いて、その上に鶏肉とじゃがいも、パプリカを並べ、上からジップロック内に溜まった汁をふりかけて焼き始める。

260度のオーブンで、まずは身側を10分、それから皮側を10分焼いて、まだ皮がパリッとしていなかったので180度まで下げてさらに10分焼いたらいい感じになった。


やはり肉を先に高温調理しておいたおかげで、パサつかずしっとりとした仕上がりになって結構良かった。

思ったのは、ジップロック煮というのは言ってみればレトルト食品を作る工程と同じなので、結構理にかなっているんだな、ということ。

鍋で直接やると焦げたり沸騰して香味が逃げてしまうけど、ジップロックに入れて湯煎すれば長時間放置しても相当気軽でいい。

低温調理以外でも他にどんな調理方法が似合うか、ちょっと考えてみたいと思っている。