パスポートのいらないイギリスに行ってきました(前編)
妻が「魔法使いの嫁」にハマっています(自分は魔法使いではない)。
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イギリスには行きたいけれど旅費を度外視しても結構遠くて日数がかかるのでハードルが高いのですが、妻が気合で調べたところ、国内でイギリスの雰囲気を味わえるスポットを発見しました。
場所は那須高原の近くの羽鳥湖のそばで、イギリス風の建物が周囲とは隔絶された森のなかに立ち並び、スタッフも外国人揃いで公用語は英語と、かなり本格的にイギリスの雰囲気を味わえるとのこと。そもそも「まほよめ」の主人公の羽鳥チセという名前も羽鳥湖由来らしいので、イギリスに行くよりも正しく聖地巡礼なのかもしれません。
福島は遠い
ブリティッシュ・ヒルズに行くためには新幹線の新白河駅で降り、そこからシャトルバスに乗る必要があります。函館からだと最速で、
はやぶさ→やまびこ→なすの
と、4時間かけて3本の新幹線を乗り継いだうえ、さらにシャトルバスで40分かかるのでおよそ5時間。イギリスに行くよりは近いけど、日本の中のイギリスも相当遠い。
電車の醍醐味、それは酒
電車の旅は自動車のそれと違って飲酒が自由なのが嬉しいところ。というわけで、ネットで流行っていたアイス&ウィスキーを試してみました。
新幹線で販売されているアイスにスプーンで十字に切込みを入れ、そこにウィスキーを流し込むと高級アイスクリームの味がするとのこと。東北新幹線だとウィスキーを頼んでも缶入りのしか出てこないという情報を事前に掴んでおり、前もって知多を買っておくという用意周到さです。
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確かにめっちゃ高いアイスの味がして美味い。ウィスキーの好みとしては知多よりも白州ですが、アイスにかけるのならば甘い香りの知多が正解ですね。ただ、個人的にはこの方が好きかな。
なんだろうこの”いろはす”。超うまい。
ブリティッシュヒルズへ
新白河駅に到着し、観光案内所でシャトルバスの到着をぼんやりと待ちます。新幹線の駅前は見るべきものが何もないのが困りますね。しばらく待っているとロータリーのど真ん中に、側面にロゴが入った緑色のバスがやってきました。ここから目的地まで約40分。日本の中のイギリスも相当遠いぜ!
早起きだったのでバスの中では完全に熟睡していました。揺り起こされて目を覚ますと、そこは一面霧の世界。道路の両サイドにはロイヤルジャックがはためいており、しばらく進んでいくと霧の中から見慣れぬ風景が姿を現しました。
おお、イギリスっぽい……。ロンドンとかじゃなくて、物語に出てくるような中世イギリスを思い起こさせる町並み。
感動しながらレセプションへ。ここが並のイギリス村と違うのは、公用語が英語であるということ。「チェックイン・プリーズ」から英会話が始まります。といっても、基本的に高校卒業レベルの英会話力を有していれば普通に通じるし、相手は日本人なのでいざとなれば「あれ、○○って英語でなんて言うんだっけ」と相談し始めると自然に通じるという裏技がありますw その点は本物のイギリスよりはずっとイージーですね。
チェックインまで時間があるので、「アイ・ウォント・レフト・バゲージ」と言って手荷物を預け(本物のイギリスで覚えてきた)、アフタヌーンティーへと洒落込むことに。
アフタヌーンティーは人数分頼むものというマナーもあるらしいんですが、量が多いし飽きるのでガン無視することにしています。一人が酒を頼むと大丈夫な気がするので、自分はビールに合いそうなソルトビーフのサンドイッチを注文しました。するとウェイターの男性(外国人)が、
「グッチョイス。イッツマイ・フェイバリットなんとか」
と話しかけてきました。
ここは神田外語学院グループが経営しているので、イギリス風であるとともに英会話を自然に楽しむようなコンセプトなんですね。なので結構フランクに話しかけられるし、とはいえこちらにはなんの語彙も無いので「グッド」とかなんとか返すことしかできないところが難しい。
多分これは学校での英語教育の弊害で、過去完了とかマニアックなところを習うばかりで日常の会話が疎かになっていて、「使えない英語」になってしまっているんじゃないのかなあ。リスニングはだいたいできるけど、うんうんとうなづくだけで返しが思いつかないのは致命的です。
サンドイッチはかなりボリューミーで、肉がたっぷりで素朴な味。ビールによく合います。でもアフタヌーンティーの方にもサンドイッチがついているので、ちょっとかぶってしまったかな。
そういえば、イギリスといえばこのキュウリのサンドイッチが有名ですが、かっぱ巻きとの関連性はないのかな。この前の「日本人のお名前」で、かっぱ巻きは戦後の食糧難で生魚が手に入りにくくなって考案されたと紹介されていましたが、どうなんだろう。ひょんなことからキュウリのサンドイッチを食べた兵士が思いついたパターンというのも十分に考えられるのでは。
イギリス料理といえば不味いという風潮ですが実際食べてみると素材の味重視なので、それで物足らなく感じる人もいるんじゃないかな、というレベル。スイーツはむしろちゃんと美味しいものが多い気がします。ケーキもスコーンも普通に美味しい。ただ、スコーンに関してはここのは本場のものよりしっとりふわふわしており、クロテッドクリームも中沢のよりも普通のクリーム寄りで、日本人向けにマッシュアップされてより美味しくなっていたような気がします。
思ったよりもちゃんとイギリス
まだ時間があるので周囲の散策路を歩いてみることにしました。
霧の中の森の道は神秘的な雰囲気。向こうからホビットやドワーフが歩いてきてもおかしくない雰囲気です。
ただ現実的には野生動物のほうがひょっこり顔を出すパターンが多いらしく、頻繁に獣よけの爆音器が作動していました。まあ、本州なら出たってツキノワグマでしょ。ヒグマじゃないから平気平気。
ビューポイントから羽鳥湖を一望できるとの触れ込みでしたが、案の定霧に包まれていて視界はゼロ。ゲームだとフィールドの端、描画されていない領域っぽく見えてちょっとおもしろい。
マナーホール内を探索
ブリティッシュヒルズ内で一番お金がかかっているのがメインとなるマナーハウス。
図書館にある古い洋書は自由に読んでよく(意味は分からないw)、椅子の座り心地は最高です。これ一脚どのぐらいするのかなあ。
こちらは王様のベッド。
ゲーム・オブ・スローンズを思い出させるゴージャスさです。
図書館にあった謎のゲーム。6面ダイスを2つ使いそうに見えるんだけど、どうするのかな?
ドレイク棟
そうこうしているうちにチェックインの時間になったので、鍵を受け取って本日の宿泊先であるドレイク棟へ。
宿泊者の寝室は王様よりもだいぶ質素で、(イギリスの)庶民的な家のような作りになっています。
面白いのは暖房やテレビが家具に隠されているところ。雰囲気を壊さないよう気をつけていますね。
夕食
霧が出ていてかなり寒いので、部屋にあったフードを被ってご飯を食べに出ます。これを着ると魔法使いそのもので、特に霧の中をぞろぞろと歩いている集団とすれ違ったりすると気分はもう完全にハリーポッターの世界。
夕食はマナーハウスの右翼にある大広間。当然ここでも英語が使われるのですが、外国人のウェイターさんは発音がネイティブすぎてほとんど聞き逃しました(^^:)
ビールを頼むとアミューズでグラタンがおまけについてくるのが嬉しい。
コースは二種類あって、トラディショナルだとメインがローストビーフなので普通かな、と思って季節のコースにしたんですが、トラディショナルは食卓の横までカートがやってきてその場でビーフを切り分けるので、エンターテイメント性を求めるのならそちらがオススメ。
肉も悪くないけどデザートのほうが美味しいかな。
パブ
イギリスと言えばパブ。正直夕食でおなかいっぱいでしたが、せっかくなので食休みを挟んで繰り出してきました。
内装はまさにRPGの酒場のよう。
パブのカウンター周りは外国人がたくさん集っていて、従業員なのかな? テレビではサッカーの試合なんかが流れていてかなり本場のパブっぽい雰囲気が出ていました。さすがにそこに混ざる勇気はないw
定番のフィッシュ・アンド・チップスはイギリスで食べたのよりも美味しいかなw
残念だったのがモスコミュールで、レストランのメニューで見たときはここの売店で使っているジンジャービアを使っている、との説明があったのですが、パブでは普通のジンジャーエールだったこと。先に飲んでおけばよかった……。家に持って帰って飲まないと。
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こんな感じで一日目は終了。長くなったので後編に続きます。