食事とワインのマリアージュなんて酒造メーカーが作り出した幻想では?

普段はワインを飲まない自分ですが、フランス料理の時はワインを頼みます。といっても銘柄は全然わからないので、白と赤のグラスワインを一杯ずつ。白は特にこだわりはないけれど(あまったるくなければOK)、赤は癖が強いフルボディの方が好き。この前ラビスタ函館ベイのバーで飲んだジェイコブス・クリーク(ウィスキー樽で追加熟成された赤ワイン)とかは美味しかった(酒飲みなので飲んで美味しいか美味しくないかぐらいは分かる)。

コースでは常に白&赤を一杯ずつなんですが、先日ロワゾー・パー・マツナガに行った時は料理の量が多かったため、料理を食べるペースに対してワインの消費量が多くなってしまいました。一杯目は白ワイン。

確かラベルにALSACEと書いてあったのでアルザス・ブランだと思われ。さっぱりとしていて繊細な料理の味の邪魔をしないので良かったです。

飲みやすいのと料理の品数が多いのとで白ワインを早く飲み終えすぎてしまって、じゃあ次は赤ワインを、というとソムリエが2本のワインを持ってきて、ふむふむと説明を聞いてワインを選び、それを注ぎながらソムリエが一言、

「こちらは鹿肉にピッタリのワインになります」

なんだったらメインの鹿肉の時にもう一杯頼もうかな、と思っていたのですが、そう言われるとこの一杯をチビチビとやって引き伸ばすしかない。注ぐ前に言ってよねー。


赤ワインはジゴンタスのシャトー・ド・サン・コム(だったはず)。聖なるコスメってなんだ?

酒を飲むと酔う

ところが、調子に乗って赤ワインを飲んでいるうちに明確に酔いが回ってきて、徐々に舌が馬鹿になっていくのを感じたので三杯目を頼まなくて逆にセーフだったかもしれません。

そう考えると美味しいものを美味しく食べるのに、そもそもアルコール類は不向きなんじゃないのかな、という気がしました。酔っ払って感覚が鈍くなったら、それほど美味しくないものでも十分だし。

そもそもワインなんて、「飲む福祉」ことストロングゼロの1.5倍のアルコール度ですからね。

サントリー -196ストロングゼロコンクダブルレモン1.8L

この商品はアルコール度数24%と書いてあるけど2倍の炭酸で割るので、普通に飲めば8%。アル中な人が濃い目にしようと1:1で作ってようやくワインと同じアルコール度数です。

グラスワインは1杯125ccというのが基本ルール。2杯で250ccなら、アルコール度数が12%とすると純アルコール量は30gにもなります。ストロングゼロ350ccとほぼ同じだし、一日の晩酌の適量である20gを5割増しで上回る量になります。

2杯程度でこうなるのなら、料理に合わせて3種類4種類と飲んでいったり、ボトルワインを一本頼んだりなんかしたら最後にはへべれけで、何を食べたって同じなんじゃないかな。せっかくのサーロインが台無しになりかねない。

「フランス料理にはワインが合う」と言われるけれど、本当は料理の味を邪魔する悪者なのかもしれないなあ。

鰻の旬は夏じゃないから夏に鰻が売れないのを、平賀源内が「土用の丑の日」というキャンペーンを始めたように、料理とワインを合わせようという「マリアージュ」も、酒造メーカーがワインを売るためにひねり出したこじつけなのかもしれない、と思ったのでした。