ワイルドベタの繁殖に挑戦

ペア買いしていたベタ・インベリスですが、水槽を隣り合わせにしてフレアリング代わりにお見合いを毎日させていたら立派な泡巣をつくるようになったので、正月休みを機に繁殖にチャレンジしてみました。

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失敗の連続

卵を産ませる時は大きな水槽のほうがいいというので、不要になった30cm水槽をきれいに掃除してオスベタをうつしてみたんですが、急に広い水槽に入ったせいか常にビクビクとあたりを警戒するようになり、土管の中から頭だけ出して引きこもってしまいました。2週間ぐらい入れておいたのですが慣れる気配はなく、泡巣どころの騒ぎではないので元のコレクションケースに戻すことに。

ちなみに以前は水草絨毯にしたEcoqubeに入れていたんですが、ベタが面白がって水草を抜きまくるのでリセットしたのでした(泣)

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というわけで現在はレッドビーシュリンプ水槽になっています。ツマツマ。

住まいが狭いほうが安心するのか再びモクモクと泡巣を作り始めたので、いよいよメスを入れてみることに。ところが、お見合いの時はヒラヒラと尻尾を振って誘っていたのに、一緒にした途端凶暴性がむき出しになり、しきりに攻撃をし始めます。攻撃8:誘惑2ぐらいの割合で、メスのヒレは裂けてボロボロになり、あわれ床に横たわるという状態でした。

これはアカンと次の日にはメスを取り出して元のケースに戻し、スーマを垂らして何日か経つと、ほとんど骨だけの状態に見えていたヒレが復活しています。回復早いな! このぐらいのケガは想定の範囲内なのかな。

ご飯を多めに食べさせつつ二度、三度と同居を繰り返していくうち、オスベタも慣れてきたのか徐々に攻撃の手を緩め、ついには攻撃0:誘惑10になり、メスの近くに寄ってはヒレをヒラヒラと振って、泡巣の真下に誘導できるようになりました。

ついに成功!

尾びれで優しくリードして、泡巣の下で強烈な抱擁!

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ギューっと絞られたメスのお腹から、白い卵がはらはらとこぼれます。それをオスが床にこぼれ落ちる前に口でキャッチ! そのまま食べてしまうんじゃないかとハラハラしながら見ていると、水面まで浮かび上がって泡巣に向かって卵を吐き出します。おおおお、ベタの本能すごい!

その間はメスは気絶したように身動きせず、ゆら~りと沈んでからハッと意識を取り戻す。抱擁と産卵のショックで気絶しているんだと思うんですが、聞くところによるとメスは卵を食べてしまうことがあるらしく、メスが気絶しているあいだにオスが卵を回収できたほうが生存率が高いから気絶するようになったんじゃないかと考えました。

1回あたりの卵の数は10粒くらいでしょうか。その後も1~2時間に渡って抱擁を繰り返していました。

ときどきメスがするりと逃げて空振りすることもあるw

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オスの健気な子育て

しばらくするとメスは疲れたようにウィローモスの中に潜り、オスもメスそっちのけで泡巣のメンテに取り掛かるようになるので、そっとメスを取り出して元のケースに戻しました。

それからのオスは子育ての鬼! 泡巣からこぼれ落ちた卵を拾い集めては巣に戻し、時には別の場所に泡巣を広げて卵を移動させたり。一度口に含んで吐き出すことで、表面の汚れやゴミを取り除いてキレイにしてカビの発生を防いだりしているとのこと。24時間寝ずの番です。

一方のメスは産んだら産みっぱなしなのかというとそんなこともなく、翌日ケースを覗いてみたら、オスしか作らないはずの泡巣が作られていて、そこには卵が何粒かありました。どうやらいくつか産み残した卵があったらしく、ひとりで産んで巣を作っていたようです。とはいえこれらは無精卵なので孵るあてもなく、翌日には巣ごとなくなっていましたが(ベタは無精卵や死んだ卵を食べてしまうので)。

孵化に成功

2日ほど経つと卵の中に黒い点が見えるようになり、しばらくすると泡巣から尻尾がにょきにょきと生えているのが見えるようになりました。このタイミングで床掃除を敢行することとし(泳ぎ始めてからでは吸い込んでしまう)、そっとスポイトを突っ込んでゴミを吸い出したのですが、そのわずかな揺れで泡巣が動き、稚魚たちがバラバラとこぼれてしまいました。

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まだきちんと泳ぐ力がない稚魚は、水中をランダムな動きをしながら床にぶつかったり壁にしがみついたりします。それをオスベタは一匹一匹キャッチして泡巣に戻し、その合間に「余計なことをしやがって人間め」と思っているかどうかは知りませんがせっせと泡巣を修復し、かと思えばこぼれ落ちた稚魚を回収し、と縦横無尽の大活躍。

無事に泡巣を補強して全ての稚魚を回収した後は、あたりを警戒して「お前は敵か! こっちには寄らせんぞ!」と威嚇したり、ひろひろとこぼれ落ちた稚魚を回収したりと頑張っています。ここまでまる4日は食事もなく(餌を与えると食欲が出て稚魚を食べてしまう危険がある)、睡眠もなく、本当に立派な生き物なんだと感動しました。

ひとりだち

孵化して何日か経つと水平に泳ぎ出せるようになるので、ここでオスはお役御免。プラケースに移しておやすみさせます。

さて、ここからは人間のターン! ベタの繁殖はここからが最も難しいといわれているのです。アクアを初めて一年ちょいの自分に、果たして一人前のベタを育てることができるのか!?