2017台湾旅行 ~その8~ 踏んだり蹴ったりの迪化街

台湾旅行最終日は特に大きなイベントを入れず、台北の街をテキトーに見て回ることにしていました。というか仕事が忙しくて下調べをする時間がなく、九份までの計画を立てるだけでタイムアップして、行き当たりばったりになってしまったというのが主な理由。これが後に悲劇を生むことになるとは。

最終日ぐらいホテルの朝ごはんを食べておこうと思って食堂に顔を出してみたんですが、台北城大飯店の朝食は日本のちょっと良さげなビジホクラスだったのでまあまあでした。もうちょっと台湾風味が欲しかったかな。沖縄のJAL琉球風味満載で良かったなあ。

迪化街まで歩く

まずはすぐ近くにある迪化街を目指して歩きます。住所的に、たぶん迪化一段というところがそこだろうと当たりをつけて行きました。途中で朝市があったので冷やかしてみたり。

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ところがたどりついた場所は、「古い町並みが残る」どころかゴーストタウンのよう。

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朝早くから開いている店ばかりだと聞いていたのに、早すぎたのか……?

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イラストだけは賑やかなんだけど。

早朝だというのに強すぎる日差しの中をあるき続け、どうにかこうにか店が開いているエリアまでたどり着きました。その距離約2km。遠かった……。ちゃんと調べないから全然違うところに行ってしまったようです。

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ここで名物のカラスミを購入しようと思って何店か見回ってみると、だいたいひとつ500元ぐらい(2000円程度)が相場っぽい雰囲気。台湾流に、買三送一(まいさんそんいー、3つ買ったらひとつおまけ)のお店も多く、6000円で4つだから1つ1,500円ぐらいが相場なのかも。

そんな感じでブラブラと見ていたら、ひとつ320元と、ちょっとお安め(にしては色艶がいい)なカラスミを売っている店を見つけました。

www.taipeinavi.com

なんと、偶然入ったにしてはきちんとしたお店だった模様。店員さんは日本語ペラペラだったんですが、一応冗談で「便宜一点儿把(ぴえんいーいでぃあるば/ちょっとまけてよ)」と聞いてみたんですが、「元から安いからダメよ」と笑われてしまいました。

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カラスミをまる一本食べるのは初めてでしたが、焼きたらこを濃厚にして塩辛風味を足した感じで日本酒によく合います。旨し。開封すると一週間ぐらいしかもたないので、食べきれないのは贅沢にパスタに突っ込んでカラスミペペロンチーノにしてみたらこれもまた絶品。もっと買ってくればよかったなあ。

市場で痛恨のミス

この後は衣料品店が100店以上も集まっているという布市場を目指しました。

www.taipeinavi.com

しかし様子がおかしい。1階の食料品売場はオープンしているのに、3階と4階行きのエレベーターが動いていないのです。困ったので店の前にいた屋台のおばさんに、

「这店几点开門? / ちゃーでぃえん じーでぃえんかいめん?」(この店は何時に開くのか)

と聞いてみると、意味はわからないけど「開かない」みたいなことを言っている模様。今度は単純に、

「关门吗? / ぐぁんめんま?」(閉まっているの?)

と聞くとうなづいて「しんちーりー」がどうのこうのと言って店の壁の方を指差します。そこにあった張り紙を確認すると、2~4階は日曜日お休みとのこと。まじかー。台湾語では日曜日は、星期天ではなく星期日なのかー。

実は、九份に行く日と台北市内を歩き回る日は、直前に思い立って入れ替えていたのです。先に市内を観光したら結構歩くし、疲れ切ってしまったら九份を楽しめないかもしれないと思い、メインを前半に持ってきたのが裏目に出ました。土曜日だったら開いてたかもしれないのに。残念。

付け焼き刃の中国語が通じた!

それでもメインストリートの周りには何店かやっている布屋があったのでそちらを物色している最中、待っている間に喉が渇いたので「愛玉」を飲もうと屋台のおばさんに声をかけました。

「らいいーべいあいゆー」

と声をかけると、

「○△ びん □× ま?」

みたいなことを言われました。びん? 「冰」のことかな? 冷たいものがほしいかと聞いているのか。そりゃそうだ。この暑さだし。っていうかホットの愛玉があるのか。

「びん、びんはお」

と答えると(てきとーになんでも「好」をつけるのが正しい表現か知らないけど、なぜか通じるので台湾で愛用した)、目の前のかき混ぜていた愛玉を少しだけカップに入れて味見をして、首を傾げてから

「ちんだんいーしゃ」

と言い残してどこかに行ってしまいました。ややしばらくして戻ってくると、なんだかダメそうなことを申し訳なさそうに言いました。たぶん、まだ冷えて無くて(氷水の上においたボールに入れてかき混ぜて冷やすシステム)、冷たいのがないか知り合いの店に聞きに行ったのかもしれません。なので、

「こういほわーるば」

と言い残して手を振って別れました。まあ、また来るわけはないんですけど儀礼上。で、あたりを見回すと今度は道路に面したコーヒーショップがありました。台湾まで来てコーヒーとは味気ないとは思いつつ背に腹は代えられないので、今度は

「らいいーぺいびんかーふぇい」

と、アイスコーヒーを注文すると、

「へいかーふぇいま? やおぶやおにゅうないふーたんま?」

と聞かれました。HEYコーヒー! なんだそりゃ。台湾ではそんな銘柄のコーヒーがあるのか?

一瞬戸惑った後、これは黒社会(へいしゃーほぇい)のへいだ!と電撃のように連想し(連想の元ネタは拳児)、ブラックコーヒーでいいのか、ミルクや砂糖が必要かと聞いているのだと気が付きました。なので例のごとく、

「へい、へい。へいはお」

と答えてついにブラックコーヒーをゲット!!!

台湾は親日国でもあるし、外国人観光客の数で言うと中国人は中国語が使えるから除くとして、日本人が多いから観光地では基本的に日本語が通じます(カラスミ屋さんのように、つたない中国語で話しかけて流暢な日本語で返される悲劇もある)。ところがちょっとローカルに入ると日本語はもちろん英語も全く通じなくなるので、念のために覚えてきた中国語が役に立ちました。

「まいにち中国語」を朝晩の通勤時間に聞いて練習するだけで、電子書籍でテキストを買ってお昼休みに読むだけで、あとは「テレビで中国語」を毎週見るだけで(結構やってるな)、三ヶ月足らずでゼロからレベル1になった感じがします。ドラクエで例えるとただの村人だったのが、ひのきのぼうとぬののふくを装備してスライムと戦えるレベルまで成長した、といったところでしょうか。

やると覚えるのが面白いので、今後も中国語の勉強を続けて、もしあれだったら次も中国語圏に行こうかなと思っています。また台湾でもいいし、香港かシンガポールか、まあ普通に北京に行ったっていいんだけど。次に直行便があるところにしよう。

本当はこのあと台湾の模型屋さんでも物色してみようと思っていたんだけど、オープン時間までまだ1時間以上もあったので華麗にスルー。ま、ALVクラブはそんなになあ。プラモを買うなら香港で買いたい。そうだ、次は香港に行きたいな……。

というわけで颯爽とタクシーに乗り込み、次なる目的地である龍山寺を目指します。

「うぉーしゃんちーろんしゃんすー!」