MIDO/ミドー

先週は札幌まで出張だったので、帰りの電車までの時間にデパートの時計売り場をブラブラしてきました。こういう時はきちんとスーツを着ているので捗ります。旅行中にヨレヨレっとした全身ユニクロコーデで訪れたときとは店員さんの態度が違いますね。

そういえばこの前札幌に行ったとき、札幌東急でオメガフェアをやっていたんですが、そんな格好でふらっと立ち寄ったら、こっちが見ているのに店員がショーケースの整理をはじめたのには腹がたちましたね。完全にあからさまに視線を遮るように、ショーケースの上にどーんと箱を置いて入れ替えを始めるのってどうなんでしょうか。二度とオメガなんて買うもんか! と思いました。買ったことないけど。まあ、ドレスコードに従った格好をしていないこちらも悪いんでしょうけどね。

今回はTPOをわきまえていたので、訪れる店それぞれで非常に丁寧に対応してもらってお大尽気分を味わうことができました。買う気がないのに申し訳ないけど、いつか買うかもしれないからね! 今日は見るだけね!

以前こうやって見て回ったときと自分の趣味が変わった点は、オメガやタグホイヤーなどのゴリゴリとしたクロノグラフにあまり心ときめかなくなったところでしょうか。それはやっぱりブローバと出会ったことが大きいような気がします。

pikaring.hatenablog.com

1/1000計時と、クロノグラフなのに長い秒針がスイープ運針するという機能は唯一無二だし、それをクォーツでやっちゃうところはチートと言われても仕方がない。知名度は低いけれど歴史は古いし、ウンチクを語れるポイントも多く、それでいて価格はメジャーなブランドの10分の1ですからね。そう考えるとブランド名が値段の9割を占めるわけで、他人の評価を気にしない自分としてはそんなものを買っていいものかと首を傾げてしまう。

同様に、機械式時計に電池の力でスイープ運針させる、セイコーのスプリングドライブにも興味がなくなってしまいました。ブローバは罪な時計だ……。

機能と価格がバランスしているかどうかというのは時計選びの点で非常に重要なポイントなので、有名だから高いという考え方には首肯できないのです。逆に、今回チェックしてこれはお買い得だ!と思えた時計がこちら。

セイコーのプレザージュの琺瑯文字盤モデルです。普通の丸型もありますが、立ち居振る舞いはこのトノー型のほうがスッキリとしています。

職人が一枚一枚手作りしているという文字盤は、白と黒とのコントラストがはっきりとしていて非常に美しい。つややかでしっとりとしていて日本的。こういうのって写真だと全然表現できないんですよね~。どんなに美しく撮られても、実物の存在感には絶対に敵わない。手に取ると思わず買ってしまいたくなるような魔性の魅力。この艶やかさ、なんて表現したら伝わるかな。古い病院の病院の診察室にある、琺瑯製のタライに雰囲気が似ているんですが(褒めてるように聞こえない)。

50万円オーバーの舶来時計をさんざん見てきた後で12万円という値札を見ると、「なんてお買い得なんだ!」と錯覚してしまって危うかったですw でもこれは結構マジでほしいなあ。グランドセイコーよりは断然こっちかな。

MIDOという時計メーカーについて

最後に札幌駅の大丸に行ったら、見たことのない黒とオレンジの派手なロゴが目につきました。

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www.swatchgroup.jp

店員さんから「こちら気になりますか?」と聞かれて「聞いたことがないメーカーですね」と答えたら、「スイスで100年以上の歴史がある時計メーカーなんですよ」とのことでびっくり。割と時計について知ってきたつもりだけど全く意識に登ってなかった。ここまでほとんど国内で取り扱いがなかったとのことなので知らなくても仕方がないかもしれないけれど、勉強不足だなあ。

日本では大丸が正規の代理店になっているらしく、イメージカラーの黒とオレンジを使った大胆なデザインの大丸限定モデルも販売されていました。

Inspired by Architectの謳い文句通りの建築技術に着想を得たデザインは、どれもソリッドで未来的。どれだけ時間がたっても古くならないセンスが感じられます。特に気になったのがマルチフォートのクロノグラフ

文字盤がグラデーションしているように見えるんですが、実はこの模様は立体的に波打っており、しかも細かくギョーシェ彫になっているのです。

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実際に手にとって見ると立体感が素晴らしく、さらに光の当たり具合によって表情を変えるところに惹かれました。といっても衝動買いするには高すぎるので、この日はカタログだけいただいて帰ることにしました。

ちょっと気になるモデル

帰りの電車の中でカタログを矯めつ眇めつしていたんですが、やはりナンバーワンはマルチフォート、のクロノグラフではないモデル。

最初はクロノグラフが気になっていたんですが、実物はちょっとだけ間延びしている感があるんですよ。特にクロノのダイヤルと時間を表す○との間が開きすぎというかなんというか。さらに直径44ミリで厚みは14.5ミリとデカアツすぎます。その点こちらは直径42ミリで厚みが10.95ミリと、まあまあ常識的な範囲内。機械式時計の場合はクロノだとメンテナンスが大変だというのもあるし、普通の方にしていたほうが無難な気がします。

さらにこれはクロノメーター認定モデル。COSC、クロノメーター検定協会が高精度だと認めた機械式腕時計なのです。日差数秒の世界で何が高精度じゃい、みたいな口さがないことは言わないでおいて、ロマンを感じる逸品なわけです。それが10万円以内で買えると考えるとなかなかお買い得なんじゃないでしょうか。

もう一つ気になったのは、イメージカラーのオレンジを大胆に配色したこのモデル。

せっかくMIDOを買うのなら、このぐらいのほうがそれらしい気がします。ちょっと派手ですが、これはギリセーフ、かな。クールビズ期間中ならいけるかもしれない。とはいえ、その程度の使用頻度にぽーんと10万円払っちゃえるほどお金持ちじゃないからなあ。難しい。

良くしてくれた店員さんには悪いけど、ebayで探すと2~3割ぐらい安く買えてしまうので、しばらくはオークションサイトから目が離せない事になりそうです。