上ノ国町で素晴らしいお湯に出会った ~湯ノ岱温泉~

この前は松前方面の温泉を狙って足を伸ばしてきたので、今回はそれよりもちょっと上にある、江差方面を狙ってみようと思いました。

函館から江差に行くには、南回りで上ノ国町を通ってから北上するコースと、北回りで国道227号を通るコースの大きく二通りがあります。

といっても南回りは無駄に距離が長いので、今まで通ったことはありませんでした。ところが今回はちょっと寄ってみたいところがあるのです。それが、上ノ国町にある湯ノ岱温泉。

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道南ではちょっと珍しい炭酸泉があるというので非常に気になりました。

そんなわけで好き好んで遠回りをしてきたわけなんですが、木古内町までは快適な道のりなので非常によろしいのだけれど、そこから上ノ国町へと伸びる道道5号線がかなりの山道。舗装は行き届いていますがかなり曲がりくねっているので、普通の車だったら大変かもしれません。

やっぱりターボ付きで小柄で小回りがきいて、サスペンションはスポーツ仕様、トランスミッションは理想はマニュアルだけど、でなければパドルシフト搭載のCVTでいいかな。そんな車があれば快適に走れるのになあ。

そんな車がどこにあるかって?

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あるんだなこれが。

キャストスポーツはこういう、夏の北海道の山を駆け抜けるのにちょうどいいんですよね。別に時速数百キロで飛ばす必要はなし、公道を快適に乗り回すのに必要十分な性能。

スーパーカーで調子に乗るとこんな事故に合うかもしれないw

world-action.net

ハモンドが番組内で事故にあうのはこれが2回目かな。今回は軽そうでよかったけれど、Grand Tourのシーズン2は大丈夫だろうか。

Amazonプライムを継続した一番の理由がこの番組なので、早い復帰を願っています。

湯ノ岱温泉

閑話休題

しばらく山道を爆走して、ようやくたどりついたのが山あいにある集落。看板に従って脇道にそれて、川を超えてようやく見えてきたのがこちらの建物でした。

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え、ここなの?

湯ノ岱温泉を目指してきたはずが、看板には「上ノ国町国民温泉保養センター」と書いてあります。

正直、見た目不安しか無い建物です。古い・ボロい・寂れているの三拍子そろった外見に、思わず「今日はほかの温泉にも行く予定だし、ここはパスしようかな」と思ったほど。

ところが浴場に入ってみて入ってみて驚きました。お湯の濃度がとんでもなく濃いのです。HPでは炭酸泉と書かれているので「シュワシュワしてるのかな」と思いきや、そんなレベルでありませんでした。お湯は褐色に濁っており、鉄臭くサビのような匂いが浴場内にぷーんと漂っています。

3つある浴槽のうち、一番手前が源泉かけ流し。これはね、すごくいいです。今まで入った温泉の中でナンバーワンとは言わないけれど、間違いなく、ワンオブザ・ベスト温泉のうちの一つです。温度は38℃のぬるめになっていて、永遠に入れるような気持ちになります。

真ん中の浴槽は42℃と高温、つまり加温されているわけですが、温度も相まって一番効く感じがします。ジワジワと染み入ってくる! 青森は恐山の温泉で見たような油膜まで浮いて、地下から湧きい出てきたという雰囲気が抜群です。

しかし何と言っても圧巻は打たせ湯。

知っていますか? いまはどこの温泉に行っても大抵は打たせ湯が廃止されているのです。それはつまりレジオネラ菌の問題があるからで、循環ろ過の温泉では不可能なんですね。いくら塩素消毒したってアウト。だからこの日本で合法的に打たせ湯をやろうと思ったら、源泉をそのまま排出しなければならないのです。ここにはそんな貴重な打たせ湯が三本も! こんな贅沢はなかなか味わえない。

打たせ湯の温度は低めで心地よく、落ちてくる高さの割に痛くもなく、シャワーを浴びているような感じです。足元を見るとお湯の成分が床にこびりついて、まるで棚田のような模様を作っています。これは何かで見たような……。そうだ、中国の黄龍風景区だ!

yuuma7.com

人工的に作られた自然物というか、この棚田のような光景をギュッとフラクタル的に押し縮めたものに見入っているとそろそろ体が冷えてくるので、一番奥の浴槽に移動します。

一番奥はボコボコと泡が吹き出すジャグジーになっていて、しかも35℃という超低温。ほとんどプールですね。ここと高温風呂を行ったり来たりしているだけで一日が終わってしまいそう。とはいえ次の予定もあるので一時間足らずで切り上げて、締めに源泉にどっぷりと浸かって終わりにしました。いや~、こんなに後ろ髪をひかれる温泉もそうそうないかもしれない。

良い温泉があればそれでいい

これまで温泉といえば三種の神器、つまり、サウナ・露天風呂・水風呂*1を重視して生きてきたのですが、いやはや、このぐらいのレベルになるとどれも不要でしたね。というか換気が行き届いて湿度が高すぎないので、露天に出たいともさほど思いませんでした。冬に来たりすると寒すぎたりするのかな。

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近くには花沢温泉簡易浴場という、わずか200円で入れて町民に親しまれている温泉があるそうです。こちらは湯温が高めだそうなので、冬になったらこちらの方に行ってみようかな。

*1:あとは喫煙所もあると良い