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ホテル万惣 湯蔵

温泉

このところ、週末ごとに日帰り温泉に行くのが習慣になっていたんですが、ここ函館ではいわゆる温泉銭湯がメジャーで、ちょっとひとっ風呂浴びてくるという感覚で温泉に行くのが普通です。まあそういうところもいいんですが、たまには贅沢もいいじゃないかとちょっと高級なところに行ったところ、結構なカルチャーショックを受けたので「これを機に函館市内の日帰り温泉の感想をまとめよう」と思った次第であります。

というわけで日帰り温泉レビューの第一弾は、ホテル万惣の温泉施設「湯蔵」。

www.banso.co.jp

旧ホテル万惣は18億6000万円という巨額の負債を抱えて倒産し、その後オリックス不動産が運営を引き継いで2016年9月にリニューアルオープンしたそうです(行くまで知らなかった)。改装後まだ一年も立っていないので温泉のまとめサイト的なところでもあまり紹介されておらず、自分も「もしかしたら自分の知らない日帰り温泉がまだあるんじゃないか」と思って、ピンポイントでホテルのHPを探して見つかったような穴場です。

高級感あふれるモダンな空間に圧倒

昔のホテル万惣の印象といえば「温泉があるシティホテル」だったんですが、リニューアルされて内も外も豪華に改装されており*1、一歩館内に踏み入れただけで「ちょっと違うな」と思わせる雰囲気でした。ブラウンを基調としたぬくもりを感じられる内装と落ち着いた照明は、一言で言えば『居心地がいい和風モダン』。

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吹き抜けを突き抜ける暖炉も良い雰囲気。

入浴料は1、230円(消費税80円、入湯税150円含む)と、函館市内の温泉銭湯に慣れてしまうとかなり割高に感じてしまいます。

余談ですが、いわゆる銭湯の料金は北海道の場合、必ず440円未満の料金になっています。この金額は物価統制令(!)によって定められており、入浴料金が統制されている浴場は「一般公衆浴場」として入湯税の課税を免除されたり、色々と優遇措置を受けられるそうです。

物価統制令 - Wikipedia

戦後のインフレに対応するために作られた法律が今でも残っているのが驚きです。現在ではこの法律の対象になっているのが銭湯の料金だけ、というのも面白いですね。昔はサウナや食堂などの設備があると認められなかったと思うんですが、最近だと価格が上限を超えなければ設備についてはうるさく言われないのかもしれないですね。まあ、生活保護の人だって必要があればテレビやエアコン、自動車だって持てるようになったんだから、銭湯だってサウナがあって当然な時代なのかもしれません。物価統制令によって銭湯が優遇されていることについては色々と批判もあるようなんですけれど、未だにお風呂なしの市営住宅があったりして、団地の中心部にある銭湯に行くしか無い町もあるにはあったりするので、一概に良いとか悪いとか言っていい問題では無いように思われます。

閑話休題。今回はゴージャスな温泉の話でした。

それにしてもホテル万惣の浴場は、440円と1230円という価格差を考えてもゴージャスな作りになっていました。まず驚いたのは、洗い場と浴場が完全に別室になっているということ。体や頭を洗う喧騒から離れてゆったりと湯船に浸かることができる、という趣旨なんでしょうか。

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温泉詳細 | 北海道函館湯の川温泉ホテル万惣【公式】

お風呂はちょっとぬるめでリラックスできる温度。海沿いなので泉質は無色透明の食塩泉ですね。これはまあどこにでもある温泉です。

どこにでも無さそうなのがアロマミストサウナで、自分は香水系の匂いが嫌いな方なんだけど全然気になる感じではなく、湿度が高く温度はそれほど高くなく、鼻の通りも良くなってかなりリラックスできました。室内には冷水のシャワーが備えられているので、その気になったらいつまでも入っていられそうです。

洗い場に完備されいているシャンプーとリンス、ボディソープは1席おきに、資生堂と馬油入りのものが交互に置かれていました。こーゆーのは旅館ならではのおもてなしですね。シャワーもよくあるボタン式ではないので、出し放題だし水流は強いし言うことなし。

さっぱりしてから露天風呂に出ると、露天と言っても四方を木の壁で覆われてかろうじて隙間から外が見える程度、道路に面しているから仕方がないとは言え開放感には欠けるし、見上げても格子状に組まれた柱の向こうにかろうじて空が見える程度で、これはあまりに風情がないなあ、などと思いながら湯船に浸かりました。

湯船の手前の床は薄くお湯が貯まる構造になっていて、冬の冷たい外気が入り込んでくるとそこからもうもうと湯気が立ちのぼり、半分閉鎖されている空間は真っ白な湯気で覆われて、そして天井に備え付けられたスポットライトが湯気を切り裂いて柔らかく輝きます。「おお」と思って見上げると、その光の柱の中を、いつの間にか降り始めた雪のかけらがハラハラと揺れ落ちて、なるほどこれは大したものだと思い知りました。これは光の芸術。ここの旬は冬ですね~。


露天風呂で少し冷えたところでサウナに入ると、壁には大画面のテレビが据え付けてあって、ちょうどNHKのニュースが流れていたので熱い頭でロシア情勢なんかを確認していると、なんだかビジネスマンになったような気がします。ただし女湯の方は普通にバラエティ番組だったというので、チャンネルは自由に変えられるのかな。できればBSか何かの、24時間ニュースを流し続けている番組で固定してほしいものです(あんまり民放とかは見たくないので)。

いい感じに熱くなったところで水風呂に浸かります。温泉の楽しみ御三家といえば露天風呂とサウナと水風呂です(断言)。冷たい水に肩まで浸かって全身の力を抜いてリラックスし、半分弛緩したようになって浮いていると目の前に見えている規則正しく碁盤の目に並んでいるタイルの目地が、徐々にぐにゃぐにゃに曲がって見えてきます。脳の左半分がぼんやりとして、右半分は醒めていて、ゆっくりと、本当にゆっくりと呼吸をして、息を吸って吐くのに合わせて100まで数えるので、10分ぐらいは水風呂の中にいたのかな。冷たいはずなのに体はポカポカとして、一種のトランス状態なのかな。この日はたまたま他のお客さんがほとんどおらず貸切状態だったので、完全に解き放ってリラックスされました。

サ道オススメです。昔は苦手だったけど、大人になるとこれが楽しくなってしまう。

湯蔵ラウンジ

上質な風呂を堪能したらラウンジで一休み。このラウンジというのが曲者で、最近新しくできたところにはあるんですが、昔ながらの施設だと「温泉から出たら帰ってね」的なスタイルなところがまだ多いんですよね。特に温泉旅館が日帰り温泉を始めた場合なんかには、元々客室に戻って休むのが基本だから「日帰り客? 玄関前にでも座っておけば?」というところがままあります。

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館内施設 | 北海道函館湯の川温泉ホテル万惣【公式】

ところが湯蔵は広々としていて清潔で、ゆったりと休めるラウンジが用意されています。しかも並の温泉に比べて料金で3倍の違いがあるだけあって、サービスはパーフェクト。さらにフリードリンクは水の他にも緑茶ウーロン茶アセロラ水とラインナップが豊富で、なんとアイスキャンディーも無料! しかもバニラと各種フルーツが選び放題というおまけつき。最後まで優雅な時間を過ごすことができました。

フェイスタオルとバスタオルは貸出無料。シャンプーやリンスはもちろん使い捨ての髭剃りも完備だし、ドライヤーも使い放題。数百円おまけに払うだけで最高に優雅な気分を味わえます。

4,470円で、つまり通常料金に3,000円ほど加えると夕食のビッフェも味わえるとのこと。今度はそっちも利用してみたいですね。


*1:旧本館は物置として使用されているっぽいです。ロビー前に山積みされた布団が外から丸見えなのはどうにかしたほうがいいかも

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