フランベルジュを買った

調理家電を買うのが好きで、だけどすぐに飽きて使わなくなってしまうことも稀によくある。しかしその中でも真空調理機とパン焼き機は比較的マメに使っている方だ。

前者は結構な値段がしたというのもあるし、シンプルに美味しいものが作れるからというのが大きい。個人的にはわざわざ高い商品を買ってさらに手間をかけて美味しいものが作れてもあまり嬉しくない。だったらわざわざ器具を買わなくても、最初から手間ひまかけて美味しく作ればいいという料理が、自分にはまだまだ多すぎるからだ。お金をかけて上を目指すレベルにはまだまだ及ばない。

パンだって、別にパン屋で美味しいのを買ってくればいいし、スーパーにだっていくらでも美味しいのはあるんだけど、3,580円でホームベーカリーを買ってしまった以上仕方がない。

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仕方がないのでだいたい月に一度のペース、シチューを食べるときに合わせてパンを焼いている。BGMはもちろん、山崎まさよしの『パンを焼く』だ。

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釜ごとキッチンはかりの上に乗せて、重さを確認しながら材料を入れてあとは4時間放置しておくだけという気軽さがいい。真空調理機にも似た適当さが自分好み。

問題はパンを焼いた後のことで、切れ味の良い包丁を研いで使ってもなかなか思うように切れない。ゴエモン斬鉄剣でこんにゃくが切れないように、柔らかくてもっちりしていると刃が通らなくてモニモニと沈んでいき、押し切るような形になってしまう。そこで前から気になっていた、波刃の包丁を買ってみた。

これはフランベルジュ……! ところで、ギザギザのチーズが切れるからっていう理由でフランベルジュを使っている女戦士のことを知っている人がいたらコメントで教えてください。たしか五竜亭シリーズかファンタジーファイルのどれかだったと思うんだけど……。違ったかな。

閑話休題。これはペティナイフよりもさらに小さいサイズなので、972円とおもちゃ感覚で買える。その代わり質感もチープでおもちゃっぽい。そしてこの形状だと刃を研ぐことができないので、完全に使い捨てというわけである。でもちょっと良さげなパン切り包丁を買おうと思ったら何千円もするので、使い捨てにするんだったらこのぐらいでもいいだろう。

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しかし見た目安っぽくてもパンはよく切れる実力派だった。普通のパン切り包丁よりも刃の長さがだいぶ短いので、表面の硬いところをギコギコと切って、一辺ずつ回して切って最後に柔らかいところを切り落として完了。

聞けばスイカやかぼちゃなんかの硬い皮を持つ野菜類でもサクサクと切れるらしい。自分は普段使いしているツヴィリングのペティナイフ一本でカボチャぐらいはサクサクと切ってしまえるんだけど、面白いので今度切り比べてみよう。

ついでにビクトリノックス

ビクトリノックスといえば家にはこんなものもある。

これは以前札幌で開催されていたスイスデザイン展を見に行ったときにおみやげに買ったもので、アーミーナイフなんかに比べて価格が安くて買いやすかったというのもあるけれど、斜めに皮をむくというこの形状に惚れて買ってしまった。ひと目見て「これはベクトルだ!」と思ってしまった。つまり、野菜の皮にかかる抵抗を斜め方向に分解している。元々刃というものは切られるものに対して斜めに角度がついている(水平だと切れない)ところを、さらに刃の入り口までも斜めになっている、つまり、刺さりながら切り裂いているのだ! みたいなことを一瞬で思って、気がついたときにはレジに向かっていた。

説明はよくわからないけれど(自分で書いていてもよくわからないけれど)、それまで使っていた貝印のピーラーがお蔵入りになるぐらいには気に入って使っている。特にうちは実家からじゃがいもを山のようにもらってくることが多くて、それでもこれが一本あるとラクラクに皮むきができる。ラピュタで皮むきをさせられているパズーのところに持っていってやりたい代物だ。