北斗市で焼き牡蠣とウニ丼を堪能してきた
積丹半島のウニが食べたい。
しかし積丹半島は遠いし、泊まるにしてもこの時期はすでに旅館が一杯になってしまっていた。
北海道でウニを食べようと思ったらもう一つの選択肢は奥尻島。しかも今ならフェリー代金片道無料キャンペーン中とのこと。
平成28年度 乗用車歓迎キャンペーンについて | 奥尻島観光協会
しかし残念ながらこちらも満員。急に思い立ってウニを味わえるほど世の中甘くはなかった。そうなると近場で他に生うにを食べられるところは、函館しかない。
地元かよ! いや、地元だっていいんだけど地元でわざわざ3,500円のウニ丼を食べると考えたら微妙すぎる。こーゆーのは旅先のテンションで散財してしまうから良いのであって、観光客が溢れかえってきているところを横目で見ながら「ふん、わざわざ高いところで食べなくたって」と思っている地元民にとっては、なんというかこう、恥ずかしい。
貝鮮焼 北斗フィッシャリー
そこで、去年の12月に北斗市にオープンしたばかりの北斗フィッシャリーに行ってみた。
ちょうど昼時だったせいで順番待ちだったけれど、予想以上に客の回転が早いし、先に注文を決めてお金を払ってから席につくシステムなのであーだこーだ悩んでいるうちに案内のアナウンスに呼び出される。
ウニと海が一文字違いなのはウニには海のエキスがギュッと詰まっているからだ
ウニ丼は1,600円。スモール1,000円もあったけれど、ここは富士山から飛び降りるつもりで標準サイズをチョイス。っていうかそもそもたかが丼いっぱいにこんな金額を払ってしまって良いものなのか。いやいやヨソで食べるともっと高いんだから。
そんな迷いをよそに、ウニ丼が目の前に運ばれてくる。
まばゆいばかりの黄金に目がくらむ。怯んでばかりはいられない、醤油も何もつけずにまずは一口とウニとご飯をかっこむと、
ふはっ!
思わず声が出た。ウニの、海の、濃厚な、甘みと、旨みの、温かいご飯にとろけて、ノリの風味が。これは、笑う。幸せになると人は笑ってしまうのだ。ふはは。
昆布の風味たっぷりの矢越昆布醤油を回しかけると、昆布を食べて育ったウニが再びここで感動の再開を果たすわけだ。パーフェクト!
石灰岩を含んだ峩朗鉱山から流れだす豊富なミネラルのおかげでぷりっぷりに育った峩朗ガキを味わえ!
海鮮セットAは知内ガキ10個(すでに売り切れ)、海鮮セットBは峩朗ガキ4個とホッキ貝とホタテ貝の組み合わせとなっている。牡蠣以外の貝は先に焼きあがるのですでに食べ終わっている状態。そうそう、焼き方に関してはまったく心配いらない。すべて(漁師の奥さんたちだと思われる)従業員の手によってテキパキと蒸し焼きにされていくからだ。
ただ、開くのは自分の手によるので自分で牡蠣を捌いたことがない人は戸惑うかもしれない。合わせ目をよく観察すると一箇所、隙間が開いている部分があるのでそこにナイフをゴリゴリと突っ込んでテコの原理でベリベリと剥がし、あとは貝柱を切ってやると良い。無理そうだったら店員さんに声をかけると開いてもらえるとのこと。
見よ! この大きさを!
身もびっしりと詰まっていて、それなのに口に運ぶとトロトロにとろけて濃厚なエキスとなって喉を通り過ぎるッ!
ウニや牡蠣といった主役のみならず、それを引き立てる脇役たちも良かった。特にオススメしたいのは炊き込みご飯セット。ホタテの身がたっぷりと入って生姜の風味がピリリと効いて激ウマ。
惜しむらくはホッキを焼くときはやっぱりバターがほしいし、飲み物がビールしかないのも残念(今回は運転手なのでノンアルだったけれど)。焼きウニをつまみに冷酒をキューっとやりたいところ。
きじひき高原
ついでに北斗市の観光スポットにも足を伸ばしてみた。
高さ560mの展望台からは、道南の観光名所である大沼と、
函館山を見下ろすことができる。
手前側にきれいに弧を描いているのは今年開通したばかりの新幹線。
展望台には新幹線の発着時間まで貼りだしてあり、ちょうど出発時間が近かったので期待しながら待っていたけれど、定時になっても何の気配もなく、しばらくして周りの人の「ああもう向こうに行っちゃった」という声で出発してしまったことを知ったくらいで、残念ながらここからでは全く視認できなかった。新幹線のレールの両側には高い遮音壁がそびえ立って景色も何も見えないことは知っていたけど、ここまで標高があってもほとんど見えないとは。残念。
八郎沼
きじひき高原から降りたついでに、近くにある八郎沼公園にも立ち寄ってみた。
ここは七飯町にある国立公園の大沼とは違って人工の沼で、開拓の頃に鯉を養殖するために作られたものが、事業に失敗していまは公園になっているものとのこと。子どもの頃はよくここに連れて来てもらって、ザリガニやらウシガエルのおたまじゃくしやらトゲウオなんかを取って帰った思い出がある。
北斗市に全国レベルの観光名所はあるか
新幹線が開通して北斗市に新駅ができたけれど、わざわざ交通費をかけてまで見に来るものがあるかと言われるとなかなか難しい。桜の時期は法亀寺や清川陣屋などもいいけれど、本州の桜に比べたら見劣りがしてしまうだろう。
その中にあって北斗フィッシャリーはコスパもいいし、港町ならではのものを食べられるのでオススメできる。難点としてはお昼時に混みあうこと。座席数は多いけれどそれに比例して来店者も多いので、早い時間でないと待つことになってしまうかもしれない。それともう一つは営業時間で、平日は午後4時までだけど土日は午後8時までやっているけれど、それも早く閉まってしまうこともあるし、HPもないので事前に問い合わせをした方が無難だ。さらに、お店に高級感というのは無いのでそーゆーのを求める人は避けたほうが無難だろう。前浜で採れた貝やら牡蠣やらを漁師のお母さんたちの手で鉄板で豪快に蒸焼きして、素材の味をそのまま食べる! というコンセプトに賛同できるならオススメだ。
なお類似施設としてここから函館とは逆方向に30kmぐらい言ったところに、かき小屋知内番屋というのもある。そこは11月から5月まで生牡蠣を提供するとのことなので、雪がふる頃になったら足を伸ばしてみたい。
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