おとなの修学旅行 part1

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修学旅行でなぜ京都?

高校生に京都の面白さは分からない、というのは自明の理なのに、どうして修学旅行の定番は京都なんだろう。神社仏閣を見ても面白いわけではない。そんな年頃でもない。なまじっか興味があったとしても、学校お得意の「集団行動」の名のもとに少数意見は封殺され、京都なんかつまんねーから大坂まで足を伸ばそうぜ、というクラスメートの意見に引っ張られるケースも多かろう(実体験)。
興味のないものには苦痛であり、興味のあるものにとっても満足いくような見学ができない修学旅行での京都訪問は、日本人として文化のルーツに触れておくことが重要だというのは建前だけれど、実はちゃんとした理由があるのかもしれない、と思うようになったのは最近のことだ。
それは、とりあえず京都というコンテンツのアウトラインだけでもなぞらせておくことで、後でゆっくり再訪するときのひとつの指針になる、ということ。どうせ目一杯自由行動の時間を使ったって満足に見学できるわけもないのだから、ざっとなぞっておいてそれで不満があるようであればまた来ればいいし、満足出来れば二度と来なくてもいい。東京・京都という日本の二大都市を修学旅行で巡るのはそこが観光地であるということはもちろんだけど、「また来るんだから一度見ておきなさい」ということなのかもしれない。
修学旅行で京都を訪れたときの倍近い年齢になってようやく、もう一度京都に行ってみたいな、と思うようになった。ら、すぐに訪れてみるのが自分のいいところだと思う。思い立ったら吉日が座右の銘。かたわらには、やはり修学旅行のリベンジを果たしたいと思っていた人もいた。
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ちょうどゴールデンウィークの振替があったのと、さらにナイスなタイミングで相対性理論のライブチケットを購入することができたので、それに合わせて6月の初旬に決定。京都はこの時期オフシーズンで、というのも梅雨の時期で、3週間前の予約にしてはすんなりチケットも購入できた。しかも安い。
雨が降るのはもちろん心配だったけど、6月でも函館の真夏並みに気温も高いし、雨の京都というのも風情があって悪くなかろうと楽観的に考えていた。その時までは。
 

そして再訪

いよいよ出発の日。インターネットで予約したので飛行機はチケットレスで、iPhoneに表示した二次元バーコードをかざすだけ、といういささか初心者にとっては不安になる形式だったのだけどその不安は見事に的中し、うまく読み込んでくれなかったり、いざ表示しようとするとログオフしてしまっていたりと結構とまどってしまった。
バーコードの写真を保存すると画面にでかでかと表示されて縮小ができないので、予約画面をスクリーンショットにとって保存しておくと良いみたい。さらに、設定画面から明るさを最大にしておくと読み取られやすいようだ。次回の教訓にしたい。
 
函館空港でホタテおにぎりをもにゃもにゃと食べて出発。お腹がすいていると酔うけれど、食べ過ぎると向こうでおいしいものが食べられないというジレンマに悩んだ挙句のチョイスである。
羽田空港はしょっちゅう行っているので特に面白みもなく、乗り換えの時間までだらだらと過ごす。まい泉のカツサンドと揚げないドーナッツを食べてお昼ごはん。おにぎりだけだと持たなかった。
乗り継ぎの時間が非常にロスタイムだ。しかし、関西空港までの直行便で行くと逆に到着が遅くなるのでやむをえない。もっと接続が早ければなあ。はやる気持ちがある分、伊丹空港行きの飛行機に乗り込んでから飛び立つまでの時間もかなり長く感じられた。このまま走って大坂まで行くんじゃね? という気分。
 
ところが、飛行機が伊丹空港に着陸しようとする時になると、その憂鬱な気分が一気に雲散霧消した。飛行機の窓から大坂の市街地が一望できる!
JR大阪駅通天閣大阪城まで!!
市街地の低い場所を飛ぶのは函館空港も似ているけれど、ランドマークが立体的な分、迫力は段違い。このぐらいの高精細なシムシティが遊びたいという気持ちと、いくら二次元が進化したって現実にゃあかなわないという気持ちが半々。やるね伊丹空港。潰さないほうがいいっすよ橋下知事
 
伊丹空港から京都駅までは高速バス。平日なので工事渋滞が発生しており、予定の時間までには京都駅に到着できなさそうなので、今日の予定を半分後回しにすることに。個人旅行だと臨機応変にスケジュールを決められるのが良い。”おとなの”と銘打つのだから気持ちに余裕を持って、なるべくつめ込まない旅を目指したい。
京都駅で荷物をロッカーにしまって、旅の最初の目的地、伏見稲荷大社へと向かう。グーグル先生は京阪本線伏見稲荷駅に行くように勧めるが、普通にJR稲荷駅で降りたほうが近いし安いし乗り換えもないのでオススメ。
 

伏見稲荷大社

すぐに例の千本鳥居が見られるかと思ったら、まずは巨大な本殿がどどーんと現れた。オフシーズンとはいえ観光客がちらほらと、安いのを利用して修学旅行生(ホンモノの)が何組か訪れていた。修学旅行生は7,8人でひとグループになって、ジャンボタクシーを借りきって運転手さんに案内してもらっているらしい。それはちょっと楽しそう。後ろから勝手に説明を聞いたり、なかなか楽しい。今はこういうのが主流なのかな。生徒だけでぷらぷらさせとくより先生方も安心だしね。
 
手を洗ってお参りして、本殿を見学してから奥の方へと進んでいった。時刻は15時半くらいだったけど、着々と売店が店じまいをはじめていたのに驚き。早いよ! まだ明るいのに!
神社の奥へ奥へと進んでいくと周りは森に囲まれて、さきほどまでの蒸し暑さが嘘のようにひんやりと涼しくなった。太陽も木の葉に遮られて薄暗く、どこか別天地に迷い込んだような気分になった。

というよりむしろ、ここはすでに別天地なのだ、と眼前に現れた千本鳥居を見て思った。
赤いトンネルの中は鳥居が生み出す影によって陰と陽がまざりあった不思議な空間。人間のために作られたのではなく、ここを通る神様のために作られた道。鳥居の丸みはあらゆる陰影の赤さを生み出していて、複雑な赤によって視覚情報から脳をハッキングされそうな危うさを感じる。

しかし地元の人にとっては涼しいさんぽ道であり、適度なアップダウンのあるジョギングコースであるらしく、何人も明らかに観光客ではない人とすれ違った。地元の人にはこの異界も日常の光景なんだな、と妙に感心した。たしかに往路はおどろおどろしい感じが否めないけれど、復路では鳥居の裏側に書いてある奉納者の記載が見えて安心する。函館にある会社の社長さんが奉納していたりして、それを見て歩くにつれ、感覚が現実に引き戻される。小金が入ったら自分も奉納してみたい。
 
ひととおり見て回ったので伏見稲荷神社でのふたつめの目標、すずめの焼き鳥を食べようと思ったら、オフシーズンということで、どこの店も品切れだった。スズメは猟をしないと捕れないから、猟期の冬が終わって連休ぐらいまでに全部売り切っちゃうんだろうな。

祢ざめ家

祢ざめ家

食べログ祢ざめ家

スズメどころではないぐらい売店が閉まりだしているので、大社を出たすぐのところにある「祢ざめ家」さんで食事をとることにした。今回の旅行で食べる初めてのちゃんとした食事です。わくわく。注文したのはこんな感じ。

  1. きつねうどん
  2. 鯖寿司
  3. うずらの焼き鳥
  4. 湯葉の刺身
  5. 日本酒(桃の滴)

お稲荷様なのできつねうどん。おあげが甘くておいしい。鯖寿司は想定内の味なので、ここはいなり寿司を注文するのが無難かもしれない。
うずらは骨ごとバリバリと。甘辛いタレがかかっているのでうずら自体の味はわからない。スズメもこんな味なんだろうな、と思い込んでみる。

湯葉のお刺身がもきゅもきゅで最高。甘い香りの日本酒と、ふんわりと大豆の香りが残る生湯葉の組み合わせが絶妙。いいね京都!