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長すぎると困る

読書

途中まで好調に読んでいたのにかなり間隔が置いてしまった。原因はこれ。

背の眼


道尾秀介の記念すべきデビュー作、なのはいいけれどとにかく長い! これでもかというほど長い! 長くても面白ければいいんだけど、その分内容が薄まっちゃってて読み終えるのがつらかった。京極夏彦の影響を受けまくっちゃってるのも痛い。
だけどこの続きの『花と流れ星』はかなり面白かったし、真備シリーズの1作目なので辛抱して読んだ。霊とミステリをうまく絡めていて悪い作品ではないと思うんだけど、今の道尾秀介ならこの半分ぐらいの長さできれいにまとめるんだろうなあ。まあ、デビュー作だからしょうがない。
 

ペンギン・ハイウェイ


森見登美彦の新作。これはちょっと、言葉にし難いぐらい面白かった。感動した。
SFではあるけれどどちらかというとファンタジーで、引き起こされる不思議な出来事が単なる不思議なのではなく、懐かしくて寂しくて、自分もこういう体験をしたいと思わせるところが作品の魅力になっていると思う。
序盤からなぜか涙腺がゆるみっぱなし。こまっしゃくれた小学生と、ミステリアスな歯科助手のお姉さんの、一見何でもない交流が心をふるわせる。読みながらなんでだろう、なんでだろうと自問させられるぐらい感情移入させられて、途中で本を閉じることができなかった。
成長と、それに伴なう別れを包み込むように描写していて、これまでの森見作品とは一線を画するけれど、それは作家として一段階上のレベルに上がったのだと思わせるものでした。『恋文の技術』あたりから人の気持ちを汲み取る網がどんどん細かくなってきていると思ったけれど、今作ではより本格化がすすんでいて、今後の作品も楽しみです。
 
すごく面白いけど他人には読んで欲しくない本の一冊*1。こーゆーので感動しちゃうんだ〜とか思われたくないし、そんなに面白くなかったとかの感想も聞きたくない。心の本棚にそっとしまっておこう。
 

さよならペンギン


奇しくも同時期に、ペンギンがらみのタイトルのSF小説が合わせて発行されるとはなんたる偶然か。帯に書いてあった

「この世界では、僕たちの死ぬ確率は0かもしれない」

という言葉まで見事にかぶっている。すごい。
大西科学はジョン平シリーズが好きでそれ以来欠かさず買うようにしているんだけど、今作はそれらとは違って本格的なSFものになっている。ただそれが良い方に影響しているかといわれたらちょっと微妙。観測者同士の戦いとか結構緊迫しているんだけど、それまでが冗長に過ぎるのかなあ、なんて。ペンギンである意味が薄いというか、う〜ん。

はてな年間100冊読書クラブ 289/303)
 
自分も「海辺のカフェ」でお姉さんとチェスを指したいと思って勉強し直してるのは秘密です。

*1:恩田陸の『黒と茶の幻想』もこのジャンル

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