そんな都合のいい話があるかーい!

市の広報誌に「電車で東野圭吾の小説を読んでいたら向かいの女性が偶然同じ本を読んでいて、それがきっかけで付き合うようになった」的な小話が載っていて思わず
「そんな都合のいい話があるかーい!」
と叫んでしまった今日この頃です。こちとら毎日通勤時間は読書タイムだけど、そんなことになる気配さえないというのに・・・。
 

東京タワー


ちょっと『テニスボーイの憂鬱』っぽい。
二人の主人公、透と耕二の区別がつきにくくてまいった。「ふたまたかけてる方が耕”二”で、透明な方が透(?)」と覚えた頃には物語は終盤だったという。
女性向けだからだと思うんだけど、主人公は若い男だけど焦点は常に「自分勝手なワ・タ・シ」にあるのがどうも。透と詩史のその後とか、どうして詩史の旦那はそんなに余裕なのかとか、謎を残したまま終わってしまうのがもやもや。続きをよませて〜。
 

南の子供が夜行くところ


異界ファンタジーが得意な恒川光太郎の新作。とはいえ前作の『草祭』ぐらいになるとそのジャンルにも手垢がついてきたかな〜と思ったりしていたんだけど、今作はその予想をひらりと避けて背景世界を変えてきたのがすごく良かった。これまでの、まるで障子を通して光が当たってくるかのような日本的な薄暮の世界から、陽光きらめく南国へと華麗なる転身をみせた。ウィキペディアによると現在沖縄に住んでいるというのでその影響かも知れないけれど、もしそうだったらなかなか単純だなあw
とか思ってたら章を読み進めるほどに物語が濃くなっていき、南国っぽい濃密でねっとりと絡みつくような怖さが迫ってきて面白かった。
そういえば水木しげる先生もラバウルでの生活をヒントに妖怪たちを生み出したんだよな〜。
 

ベター・ハーフ


バブルを経て結婚したふたりの男女の生活を、時代時代に起こった事件に絡めて描き出すあたりがホイチョイプロっぽくて良い。唯川恵はとにかく読みやすくていいね。
 
はてな年間100冊読書クラブ 283/303)
 
ヤニュー。