ゴールなんて無い

一人の人間にむけてメールを書くのにも悩んで消して言葉を選んで書いているのに、小説家という人はどうやって不特定多数の人に見せる文章を書くことができるんだろう、などと考える今日この頃です。
 

掌の中の小鳥


「駒子」シリーズ以来ひさびさの加納朋子。ちょびっとだけ年齢層が上がって大人の恋愛模様が絡んだミステリになっていて面白い。似たようなテーマで連想されるのは森博嗣のS&Mシリーズだけど、向こうは犀川先生という冷静沈着頭脳明晰のキャラクターがビシバシと謎を解いていくのに対し、こちらは登場人物の二人ともが迷ったり悩んだりしながら進んでいくところが好感がもてるところ。
トリック自体はやさしめだけど、それ以上に人間模様が素敵で良かった。読み終えて心がほっこりするようなミステリって、加納朋子以外に無いんじゃないかな。
 

透光の樹


自分の気持ちに正直なところが良かったけれど、話がトントン拍子に進みすぎな気と、二人の間に障害が全然見あたらないのが不満なところ。
最後死んじゃえば話は簡単なんですよ。そう簡単に終わらないから難しい。現実には「ゴール」というものは無いんだよね。「クリアー」はあるかもしれない。すぐに次の面がはじまっちゃうけど。
ただ、二人をつなげる感情を「欠落感」だと言い切るところは共感がもてた。ここにいるべき相手がいないと思うこと、そのことが想いを強くするというのは、実は平安時代からそうなんだよね。和歌でも有名なものって、会いたいわ〜、でも会えへんわ〜っていう気持ちが込められたものが多いじゃないですか、よく分からないけど。
 

そら頭はでかいです、世界がすこんと入ります


『ヘヴン』でガツンといかれたので読んでみたけど、う〜んどうなんだろ。日記としては『桜庭一樹読書日記』の方が100倍面白いなあ(ひいき目が多分に含まれておりますが)。ところどころ凄いのもあるんだけど、それを探しだすのはちょっと手間だと思いましたよ。
 
はてな年間100冊読書クラブ 280/303)
 
耳。

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