風の谷のナウシカ

映画を見て大人買い。大人になってよかったと思うのは大人買いできるようになったことだね。

原作は前世紀に一度、図書室にあったのをぺらぺらと読んだぐらいだったので改めて読んで物語の深さに圧倒された。いまさら読んですいませんとすべての人に懺悔したい気持ちです。
本当は一日に一冊ずつにしておこうと思ったんだけど、引き込まれちゃって一気に読んでしまったのがもったいない。来週中にもう一周しよう。
 
どのキャラクターも愛着があるんだけど、ナウシカと対照的な存在であるクシャナがすごくいい味を出している。
最初のうちはクシャナのカリスマ性が、彼女のためには死をも厭わない兵たちがいるということで強調されるんだけど、3巻の土鬼との戦いで、クシャナ配下の重装歩兵がナウシカを守るために捨て駒になるあたりでその役割がナウシカの方に変わってしまったり。だけどそういう女神的属性を失って、人の上に立つ存在としてより凛々しく、自立した存在と成長するのが良かった。
特に、クシャナが皇兄の首をちぎりとって歩くシーンが鬼気迫っていて最高。サロメっぽくて好きなシーンです。男は誰でも惚れた女に自分の首を掻き切られたい欲望があるのかもしれないですね(無いか)。
  
こんな充実した内容にしては値段が安すぎる、と思ったら

原作本は宮崎駿監督が子供でも買えるようにと出版社に働きかけたとかで異常な安値で売られています。
http://kamo.pos.to/dpoke/c/entertainment-anime_167.html

という事情があったらしい。すごいなあ。