桜庭一樹読書日記―少年になり、本を買うのだ。

図書館から大量に本を仕入れているんだけど、全然読む気になれないので枕もとにおいたままにしていた。
たぶん、小説の中の物語よりも現実世界でハードな出来事が起こったせいだと思うんだけど、この千々に乱れたこころを落ち着けるには活字を追っていた方がいいと決心して手に取ってみた。
まずは牧 薩次の『完全恋愛』から。

他者にその存在さえ知られない罪を完全犯罪と呼ぶ。では、他者にその存在さえ知られない恋は完全恋愛と呼ばれるべきか?

序文でもうダメ。なんでこれを借りてきたんだろう・・・。全然思い出せない。
続いて山下貴光の『屋上ミサイル』を読んでみるも、序盤から、ちょっとすれた文学系少女と不良少年が学校の屋上で気の利いたやりとりをするという、なんだかラノベっぽいというかセカイ系というか苦手な匂いがしてきたので断念。
仕方ないので前に一度読んだことがあるのになぜか借りてしまったこの本を選んだ。

桜庭一樹の思考スタイルが心地よくて、読んでいてとても落ち着く。本を読んでいるというよりも話を聞いているような感覚。こういうの好き好き。自分が好きな人が好きなもののことを話したり、おいしいものを食べてるのを見たり、そういうのが楽しいって思えることがすなわち好きってことなんだろうなあ、なんて逆説的なことを考えているうちに読了。
 
読み終わって気がついたけど、12月に出た新しい方の読書日記を読むつもりで間違えて借りたっぽい。まあ、復習と言うことでひとつ。
 
はてな年間100冊読書クラブ 242/229)