新型インフルエンザに対する偏見
ブログ市長こと阿久根市の竹原市長の発言がものすごいので時々チェックしているのだけど、11月4日の記事がひどかった。もはやトンデモの域に達している。
「安心・安全」を流行語大賞に
インフルエンザに対する過剰反応は滑稽だ。
インフルエンザ予防には役立たないマスクがバカみたいに売れて、小学校では学年に3人のインフルエンザが発生した時点で学年閉鎖にした。その後10人以上になってから学年閉鎖を解いた。阿久根では校区の運動会や剣道大会などが中止になった。
今回のインフルエンザは比較的症状が軽く、しかも3日程度で治ると聞く。
(http://www5.diary.ne.jp/logdisp.cgi?user=521727&log=20091104より引用)
『と聞く』と伝聞形にして逃げ道を作っているのがずるい。
さらに11月5日には市民からのメールとして(あくまで自分の意見ではないと予防線をはって)「新型インフルエンザは風邪と変わらない」「一度かかって免疫を得よう」みたいな妄言を張り付けている。
弱毒性という言葉の誤解
「今回の新型インフルエンザは弱毒性だから罹っても大丈夫」というけれど、普通の季節性インフルエンザも弱毒性で、これだって国内で毎年5千人以上も死者が出ている。
どんどん罹ってみんなで免疫を持とう♪ なんて言う人は、その影で免疫力のない老人や子どもがばたばた死んでいってもいいと考えているのだろうな。
インフルエンザの流行情報
保健所で30人以上のインフルエンザ患者が発生すると警報をだし、警報を出している保健所の割合によって色分けされている。
我らが北海道は見事に真っ赤に染まっており、70%〜100%の保健所で流行警報を出していることになる。
阿久根市は鹿児島県だからまだまだ注意報に過ぎないからこんなことを言えるのかな? 国内平均も警報レベルを超えたというのにのんきな人だ。
感染は拡大傾向
太い赤が今年のもの。
例年に比べていかに今年が異常な状況にあるかが一目瞭然。さらにこれから季節性インフルエンザの流行も始まったら、どれだけ死者が出るのか分からない→だから警戒するというのが正常な判断じゃないだろうか。
それを「分からないから対策なんて無駄」と言い、対策をとらなかったせいで何万人も死者が出たとして竹原市長はどう責任を取るのだろうか。そうなったら責任とかの話じゃないけどね。
トンデモさんの思考回路
神経質なくらい警戒しているからこの程度の流行ですんでいるものを、被害が出ていないからやめるべきという考えになる思考回路がトンデモだ。いずれ、日本は治安がいいから警官の数を10分の1にしよう! 日本の水道水はそのまま飲めるぐらいきれいだから塩素を入れるのをやめよう! みたいなことを言い出さないだろうか心配だ。
こういう人が市長だと阿久根市民は大変だなあ・・・と思ったら自分たちで選んでるんだもんな。民主主義はヤバいね。
11月8日追記
とかなんとか書いてたらもっとヤヴァイ方向に走り出している。
例えば昔、出産は産婆の仕事。高度医療のおかげで以前は自然に淘汰された機能障害を持ったのを生き残らせている。結果 擁護施設に行く子供が増えてしまった。
「生まれる事は喜びで、死は忌むべき事」というのは間違いだ。個人的な欲でデタラメをするのはもっての外だが、センチメンタリズムで社会を作る責任を果たすことはできない。
http://www5.diary.ne.jp/logdisp.cgi?user=521727&log=20091108
優生学まで出てきちゃった。この人は現代のヒトラーか?
未熟児で生まれてきた子どもとかも今の医療があるから生存できるようになっているけど、この竹原市長はそういう人も「死ぬべきだった」と結論づけているわけだ。恐ろしい。
その前の日には、
インフルエンザは政府、マスコミ、外国資本がからむ亡国戦略の例だ。
カネに狂い志を捨てたマスコミと政府は基本的に外国資本の手先である。妄信してはならない。
などと書いている。う〜ん、副島隆彦っぽくなっているなあ。
阿久根市民の大多数が竹原市長と同調しているのは恐いけど、もっと恐いのは”実は大多数の国民がこのような思想を持っていた”らどうしようかってこと。阿久根市民だけじゃなくて国民全体がこう考えていることも、可能性としてはあり得るよね。うう、そんな国は嫌だ。