大事なテーマ

どんな作家にも何かしら、その作家にとって大切なテーマがあるもので。

恒川恒太郎とってのそれは「普段我々が生活している現実の、ほんのちょっと先にあるもうひとつの現実」だと理解してきたしそれが好みで読んできたわけだけど、今回のはちょっと拍子抜けしてしまった。別に面白くないわけじゃないんだけど、『夜市』や『雷の季節の終わりに』にあったおどろおどろしさがほとんど無くなっていて、つかもうと思って手を伸ばした先に手すりがなかったような、読み終わった後で妙な気持ちになってしまった。
 
作者が”もうひとつの現実”をすごく大事にしていることは伝わるんだけど、そのせいかこれまでの作品よりも”もうひとつの現実”の世界のことがもっと普通の存在として語られていて、全体的にテンションがフラットで、盛り上がりに欠けた印象を受けたのが残念。
はてな年間100冊読書クラブ 206/229)
 
もっと恐面白い本を読みたいな〜。湊かなえの最新作でも読んでみるか。
 

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