増える刃

カミソリの刃が無くなったので買ってくるように頼んだら、今まで使っていたのが売り場になかったと、新しいのカミソリをホルダーごと買ってきていた。
「おお、シック プロテクター3Dよ、発売中止になるとは情けない」
と思わないでもないが、特にこだわりがあって使っていたわけではないので問題はない。ただ気になるのは、新しいカミソリは刃の枚数が4枚になっていたこと。いつの間にか1枚増えている。だけど妻に言わせると、
「今主流なのは4枚刃。それどころか5枚+1枚というのも売られていたし、あまつさえ振動するタイプまで現れていたが、あなたは大きな変化を望まないだろうから1枚だけ多いのにした」
とのこと。良く分かっていらっしゃる。
 
しかし、刃が多ければいいというものでもあるまい。そう思いながら使ってみると途端に考えが変わった。確かにこれまでの3枚刃よりよく剃れる。そして、刃が多い分刃が受けるダメージも少ないのか前よりも刃の寿命が長くなった(ような気がする)。
だがこの『刃が増えると切れ味が良い』の法則をさらに押し進めた結果、大根おろしのような形状で”豪華!24枚刃”なんていう製品が世に出回るのも遠い未来の話ではないな、とカミソリの行く末を危ぶんでみたりする*1
 
それにしても、どこの誰が好んで替え刃式カミソリを使っているのだろう。電動のカミソリの方がずっと便利なのに。
自分は”髭を剃ったあとで顔を洗うから一石二鳥”という不精な理由で頑なに10年あまり替え刃式を使っているが、世の男性陣はよりプラグマティックな理由により電動ではないカミソリを手にとっているのではないかと思うと、肩身が狭いのだ。
 
4枚刃になった新しいカミソリは概ね良好に使っているが、ひとつだけ気に入らないのが”クアトロ4”という名称。クアトロも4って意味だろ。と使うたびに思う。

*1:ただし、刃の面積が増えたせいで鼻の下が剃りにくくなっているため、無尽蔵な刃の増加は抑えられるだろうと思われる。為念