ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破

帰宅したので感想まとめ。

仮設五号機

新キャラの真希波・マリ・イラストリアス登場。メガネをかけてるから優等生キャラだと思っていたら戦闘マニア? 鼻唄歌いながら使徒と戦うチルドレンは初めてだなあと思ってたらいきなり自爆(笑) これだから五号機のスペックは早めに公開されていたのだなあ。妙に納得
北極基地でのマリVS第三使徒戦は暗かったせいでよく分からない部分が多かった。ここはDVDで見直したい*1
第三使徒は「ウロボロスの蛇」っぽい外見。基地の外縁部分を「辺獄(リンボ)」と呼んでいたところから考えると、使徒が封印されていた場所が地獄ということか。その地獄に封印されていた封印を解かれてどこへ向かっていたのか。マリが使徒を仕留めたところが最終ラインだとしたら、基地にそびえ立つ柱が目標?
 
自爆装置をしかけた加持さんの、「大人の都合に子どもをつきあわせるのは気が引けるな」というセリフと、無事に脱出できたマリの、「子どもの都合に大人をつきあわせるのは気が引けるな」というセリフの対称さが面白いが、果たしてマリの”都合”とはなんなのだろう。単にエヴァに乗ること? それとも、エヴァに乗って果たしたいなにかが彼女にあるのだろうか。
 

アスカ登場

海からやってきたのはガギエルではなく、時計のような頭をしたマトリエル(静止した闇の中での時の溶解液を出すやつ)みたいな使徒。針のような足が海面に触れると、一瞬にして凍りついて足場となる。かっこいい・・・。
それに立ち向かうエヴァ弐号機がさらにかっこいい! 空中から投下され、クロスボウ&ライダーキックで華麗に撃退!
 
アスカは「これ本当に宮村優子?」と思うくらい声のイメージが違う。声優さん変わったのかと思った。
今回はマリと加持さんが組んでいるせいなのか、加持さんラブのキャラは無し。ツンデレというより「私本当は寂しがりやなの」という描写が多くなっている。
サハクィエル撃退後仲間と協力すること/人に頼っていいんだと知って、一気にみんなと仲良くなるのも、前段の描写のおかげで自然に受け止められる。今作のアスカは本当にいい娘だ。
 

参号機起動実験

『破』はアスカの物語なんだよな〜とつくづく思う。アスカ好きな自分としては、寂しがり屋の彼女が周囲に心を開き、気に入らないレイのことも認めてあげるようになり、どんどん人間的に成長していくのが楽しくてしかたなかった。そこに現れるこのエピソードはズルすぎる・・・。
シンジとケンスケにアイスをおごるトウジ。「妹が退院するらしい」と説明するケンスケ。(え、妹の転院と引き換えにエヴァパイロットになるんじゃなかったの?)と思っていると、トウジの食べていたアイスのクジが外れ。
 
そして、テストパイロットに選ばれたのはアスカ。
これから彼女がどういう目にあうのか、観客全員が知っている。
「誰かのために役に立ちたい」と話すアスカ。
成長したアスカ。You can advance。だけど結局はYou can not advance。成長することが”できない”という悲劇。
 
ダミープラグにより、無残に喰い荒らされる弐号機。最後にはエントリープラグまで・・・。
ここから先はずっと口が開きっぱなしだった。盛り上げて盛り上げておいてここで殺しちゃうのか!
でも劇場を出てから思ったのは、ここは確かにトウジじゃなくてアスカじゃなきゃダメだということ。正直な話し、自分がシンジだったらトウジ相手に戦っちゃうし(笑) でもアスカが相手だったら絶対無理。さらに、アスカをこんな目にあわせたゲンドウを絶対に許さないという気持ちになると思う。
あざとすぎるほど露悪的な展開だけど、心理的にはこっちが自然だなと納得。

ゼルエル登場

リツコ曰く「最強の拒絶型」?
確かに最強に強い。ATフィールドを何重にも展開するわ、勝手に弐号機に乗りこんだマリを噛ませ犬扱いするわ、とにかく強い。これでは勝てないと悟ったマリが、「身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ」と、人を捨て野獣と化し、NERVの誰も知らなかったエヴァの隠しモードを出しても歯が立たない。
 
TV版通りレイが爆弾を持って登場。今回は爆雷ではなく、N2弾頭ミサイル!
ミサイルの推進力でATフィールドを破ろうとするも無理。ビーストモードのマリがATフィールドを食い破ることに成功するも、そこはTV版通りほとんど効果なし。
 
マリの手によってシェルターから連れ出されたシンジが見たものは、ボロボロに焼き焦げた零号機。そしてその零号機をゼルエル
食べた!
ばくん!と。
え、何が起こったの? 地面に零号機の両足、膝から下だけが立っているのが映し出され、ゼルエルの体が女性の形に変形したのを見てようやく、レイがゼルエルに取り込まれてしまったことが認識された。えええええ!
 

サードインパクト

初号機に乗りこんだシンジは使徒を圧倒。稼働時間が過ぎた初号機はシンジの意志に応えて立ち上がる。使徒のように目から光線を出し、頭上には天使の輪が。
人を捨て獣になったマリと、人を超え神になったシンジが好対照。
レイを助けるべくゼルエルのコアに手を伸ばすシンジ。だがレイは、
「どうして私じゃなきゃダメなの?
「私が死んでも代わりはいるから」
と諦めようとする。それに対してシンジは
綾波じゃなきゃダメなんだ!
「来い!」
と怒鳴りつける。シンジがこんな感情的に、命令形で怒鳴りつけるなんて・・・。成長したシンジに感動。
でもこの成長もシナリオ通りなんだよなあ・・・。
 
このシーンでの『翼をください』は本当に良かった。本当にもう、このままサードインパクトが起こっていいじゃん、という気持ちになった。シンジはレイとひとつになれて、そして世界もひとつになって、それでいいじゃん、って。
 

陸号機登場、そして次回予告

それを許さないのがゼーレなんだよなあ。
光る巨人と化した初号機をくし刺しにする槍(ロンギヌスでは無さげに見えた)。槍を投げたのはもちろん、カヲル君乗りこむ陸号機だ。
「シンジ君、きみ”だけは”幸せにしてみせる」
ってどういう意味!? このままでは幸せになれなかったということ?
 
初号機がシンジとレイを取り込んだまま(サルベージされないまま)封印され、ネルフの主要メンバーは拘束、セントラルドグマに陸号機は降りていくという、物語として成立するかどうかまで不安になるような次回予告。
一瞬だけアスカが、海賊みたいな眼帯をつけた姿が映し出された。まさか完全復活? シンジとレイを救い出すのはアスカなのか?
 

次回に向けて

マリが全然活躍しなかったのが気になる。次回はマリの回? 序ではレイの、破ではアスカのサービスショットがあったので、次はマリだと予想。おなじユーロ所属ということで、アスカとの関係性も気になるし、そこらへんを深く掘り下げるのでは。
マリ=使徒っていう説はどうなんだろうねえ。それにしては噛ませ犬なんだよなあ。でもカヲル君も弐号機に乗ってたしそのときだってそんなに強いわけじゃなかったし。
 
どちらにしても、次回作『Q』はTV版シリーズとは全くかけ離れたストーリーになることは間違いない。次は何年後だよー。
 
you are (not) alone.
you can (not) advace.
と来たので、次のサブタイトルは
You will (not) accept.
とかだろうか。もしくはyou will (not) be angelとか。動詞だとdon'tになるから助動詞が来て、Aで始まる単語が来るはず。となるとWillだよな。mayだとcanと変わらないし、shallにnotがつくのも無くはないけど変だ。
 
『序』の時は面白かったけど劇場で1回見て、あとはDVDで見ればいいやという気持ちだったけど、『破』はもう一度劇場で見たいという気持ちが強い。函館でも遅れて公開するだろうから、そのときは(スクリーン小さいけど)見に行こうかな。

*1:2回目見る元気はさすがに無かった