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嘘を紡ぐ者たち

村上春樹の『壁と卵』の話はすごかった。
作品の中で常に体制や、世の中の大きな流れに疑問を持つように訴えかけてきたけれど、その姿勢を読者に呼びかけるだけの覚悟を持って生きてきたことが証明されたように感じて、スピーチを読み終わった後しばらくは、体に痺れがはしっていた。
 
10代のころはハルキワールドに頭から足の先までどっぷりと漬かっていたけど、20歳を境にエッセイ以外の作品からは遠ざかっていた。これを機会に、未読の小説作品を読んでみようかな。
 

ICO-霧の城-

プロが書いた同人誌。

ICO-霧の城- (講談社ノベルス)

ICO-霧の城- (講談社ノベルス)

作家の人はいいな。ゲームやって浮かんだ妄想を、こんなに自由自在に文章にできるのならこれほど幸せなことはないんじゃなかろうか。
 
ゲームの方はこれを読み終わってから2周目に入ろうと思っていた。宮部の解釈と自分のストーリーと、制作者側の設定との3つ巴の戦いが今、始まる。
はてな年間100冊読書クラブ 170/200)
 

殴り合う貴族たち―平安朝裏源氏物語

日本史トリビアの宝庫。

殴り合う貴族たち―平安朝裏源氏物語

殴り合う貴族たち―平安朝裏源氏物語

中身はタイトル通り「平安貴族って風雅に見せといて野蛮だったんだぜ」的な内容なのだけど、それを隠れ蓑に日本史トリビアをガンガン脳内に送り込んでくる。
藤原道長は一度も関白になったことが無いというのは驚き。えー、だって御堂関白って呼ばれてるじゃん。通称だったの? 摂政太政大臣もつなぎとしてちょこっとやっただけで、実際は『内覧』という天皇とお目見えできるだけの役職につき、影から政治を操っていたということに興奮した。
 
平安時代は日本史でも古文でも習うけど、この二つが別れていたのはもったいないよね。横のつながりがあって統一的に学べれば、もっと古典が面白くなるのに。
はてな年間100冊読書クラブ 171/200)
 

漫画家残酷物語―シリーズ黄色い涙

パロディの方が面白い。

漫画家残酷物語―シリーズ黄色い涙 (1)

漫画家残酷物語―シリーズ黄色い涙 (1)

マンガに賭ける青年たちの熱い物語、なのだが、後半にいくに従って「マンガ、関係ないじゃん」という展開が多くなってきて弱い。
この作品のパロディである唐沢なをきの『漫画家超残酷物語』の方が100倍面白いが、その面白さもこの原作あってのもの。唐沢がいかにこの作品を読み込んでパロディを仕上げているのかがよく分かるので、そういう意味では良い本だった。

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