オレ的「このマンガがすごい2009」

今年のラインナップはなんだか腐女子っぽくて嫌だ。1位の「聖☆おにいさん」も6位の「きのう何食べた?」も持ってる*1けど。
というわけで自分的に「今年はコレが来た!」というマンガをつらつらと上げてみる。
 

5位 百舌谷さん逆上す

百舌谷さん逆上する 1 (アフタヌーンKC)

百舌谷さん逆上する 1 (アフタヌーンKC)

まずはお家芸アフタヌーンから。連載当初のドタバタ☆ラブコメディーというノリから、登場人物たちの裏側、特に百舌谷さんの背景があきらかになるにつれて物語全体に深みが出てきている。ここ最近はアフタの中でも一二を争うぐらい期待しているマンガだ。ま、一番は『謎の彼女X』だけど(笑)
 

4位 シマシマ

シマシマ(1) (モーニング KC)

シマシマ(1) (モーニング KC)

眠れない女性たちのために若くてきれいな男の子が添い寝する&セックスは無し、という、あらすじだけ聞いたら「スイーツ乙!」って感じなんだけど、これが意外とおもしろい。この前読んだ『草食系男子の恋愛学』では無いけれど、こういう、いわば"去勢された男の子”が求められるのは時代の流れなのかもしれない。
みうらじゅんが昔「童貞の時代がやってくる!」と宣言していたのはこういうことなんだろうか。
 

3位 少女ファイト

少女ファイト(1) (KCデラックス イブニング)

少女ファイト(1) (KCデラックス イブニング)

昔はこの人の絵がダメで読めなかったんだけど、もやしもんのついでに読み出したら一発ではまってしまった。昔ダメだったけど大丈夫になる人ってないですか? 岡本倫とか小山ゆうも以前はダメだったなぁ。
話の大筋はスポ根マンガとして王道で、言ってみれば女性版『おおぶり』なんだけど、試合以外のところで展開される女の子たちの嫉妬心/向上心が生々しくて熱い。バレーには門外漢の自分でも試合の妙が伝わってくる丁寧さも良い。
 

2位 生活

生活 1

生活 1

「うち妻」もおもしろいけど、福満しげゆきの作品はこういう方が好きだ。体中にまとわりついて嫌なんだけど自分ではどうしようもできない状況。自分以外の世界が猛スピードで流れて行く絶望感。読んでいて感じるマゾマゾしい感覚がたまらない。
一見ヘタウマに見えるのに、全体の構図の撮り方は計算されていて凄い。「ほのぼの家族マンガしか書けないんじゃないぞ!」という作者の心の叫びが聞こえてくるようだ。
 

1位 私は真悟

わたしは真悟 (Volume1) (小学館文庫)

わたしは真悟 (Volume1) (小学館文庫)

最後は反則技で。ブックオフで何気なく買ったところ、あまりのスケールの大きさに圧倒されて寝れなくなってしまったぐらい凄かった。ホラー分は他の作品より控えめで(それでも十分すぎるけど)その代わりに楳図かずおのフィルターを通して見た世界を存分に味わえる。
おとなの世界とこどもの世界は完全に隔たっていて、そしてその隔たりを無慈悲なまでに簡単に飛び越えてしまう。その狭間を埋めるものとしての真悟なのだと読み取ったんだけど、本当のところはどうなのだろうか。

*1:どちらも腐女子向けの最たるものだが