弔い

昨日の帰り道、いつものように古道に入ると、
ジャリ
と、なにかを踏んだ感触があった。暗闇のなか目をこらすと、足元の地面がそこだけ白っぽくなっている。白いツブツブ。塩だ。ふと顔を上げると、等間隔に塩の固まりが置いてあることに気がついた。
これは、盛り塩・・・? 暗い道の上で、自転車に人に踏みつけられた盛り塩が点々と。
 
今日の帰りにまた古道に入ろうとしたとき、その盛り塩の意味に気がついた。入口は完全にふさがれていて、道の奥には何か建物が建てられようとしていた。道がその役目を終えたのだ。道の、死。その弔いのための盛り塩だったのだろう。
普段は霊的なものの存在を真っ向否定する私ですが、今日ばかりは道は人だけが通るものではないのだなと、素直に納得できたのでした。