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カニを食べる、その他の出来事

日常

恵山へ鮭釣りに行った父が、帰りに(鮭ではなく)ワタリガニをとってきてくれた。砂浜にいくらでもいるとのことで、砂まみれの元気なやつをビニール袋に入れてもってきてくれたのだ。
 
当然調理しなければならないのだが、生きているのでなかなかやっかいだ。なぜかというとカニの生命力がハンパじゃないから。
魚はいい。でりゃ、とエラの裏あたりから包丁で刺してやれば息絶える。イカも死んでる時と生きてるときの違いがあんまりないので良い。ただ、カニだけは別なのだ。
 
料理用ハサミを手に、どこから手をつけようかしばし迷う。とりあえず挟まれたら嫌なので、ハサミから攻めることに。
根元のところを挟んで、バチンと切り落とす。
その途端、残りの手足がビクビクっと、まるで苦痛に歪むかのように反る。
いや、甲殻類には痛点がないんだ、と言い聞かせ、甲羅を指でシンクに押し付け、身動きが取れないようにしてから反対側のハサミもバツッと切り落とす。
 
そんな作業を繰り返すこと10回。胴体だけになったカニはようやく"生物"ではなく"食材"としてみられるようになる。口から泡をぶくぶく出しているのは黙殺(笑) それでは、と甲羅の後ろ側にハサミをあて、胴体の長さの4分の1くらいまでをバリバリと切り離した途端、背筋に怖気が走った。胴体を掴んでいた左手の指の下で、切り離されたカニの腕の根元が、苦痛のためかザワザワと動き出したのだった。ただの食材と決め付けていたやつが、命の残滓を振り絞るかのように身じろぎをしたのには、思わず戦慄してしまった。
もっと死にやすければこんなことは考えないのに、しぶといせいで「これが人間にしている行為だったら」などと、思考はさらに身の毛がよだつような方へ。
 

気を取り直してオイスターソース炒めの完成!
ばらばらになったカニをサラダ油で炒め、酒と醤油とオイスターソースで味付けして、最後に水溶き片栗粉で味をつけたらできあがり♪ 簡単で超おいしいぞ!って、あの残虐行為の後のせいか、あまり食欲がわきませんでしたとさ、チャンチャン。
 
後で調べたら、ゆでると生きたワタリガニは、自分で手足をもいでしまうのだそうだ。砂も汚れもとれて一石二鳥だとのこと。知っていればあんなスプラッター行為をせずにすんだのに・・・。生き物を食べるってのは覚悟がいる行為なのだと学ぶことは出来たが、いらぬ気苦労をしてしまったと後悔した一日だった。