無かった事にする

このところの円高で大損害を受けたショックで、これまでつけていて場帳を一ヵ月半も放置していた。相場を見るのも嫌で(といいつつ毎朝チェックするが)投げていたのだが、ようやく今年の1月1日の残高まで戻ったので一日かけて整理した。まあなんだ、10ヶ月間は特に取引をしなかったのだと考えよう。
それにしても腹が立つのは、今振り返ってみると本当にひどい狼狽売りをしていたこと。まあ確かに『撤退か、死か』の選択肢を喉元に突きつけられていたのだから、そこで勇気を出して踏み込むのはむしろ蛮勇であると分かる。その結果ある程度取り戻せたし、判断は間違っていなかった。間違っていなかったのだが、やっぱり腹が立つ。
 
損をしたのは結果だから仕方が無い。一番悪いのは、そこまでレバレッジを上げるだけ買い進んでしまったことにある。円が安い、もっと安くなるから今のうちに買っておかなければと思って高値を掴んでしまった。欲が出たから損をした、そのことは強く反省しなければならない。
基本は放置、そして放置しておけるだけの状態を作ることが、やはり勝利の道筋なのだなあと感じた。今回も底値で買って投げておいたNZDとZARのおかげで相当損を取り戻せた。底値で買って、テキトーなところで売る。高値で売るといわないのは、高値は誰も言わないが、底値になればみんなが騒ぎ出すから。そう考えると意外と買い時は簡単なのかもしれない。大事なのは惑わされて買わないことと、下がった時に落ち着いてられるだけの資力を確保しておくことなのだ。
 
と書いてきて思ったが、なんだかこういう考え方は孫子っぽい。勝つべくして勝ち、負けるべくして負ける。相場も戦争も似たようなものなのか。近いうちに岩波書店版の孫子あたりを読み直してみよう。下手なFX本よりは勉強になりそうだ。