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話のマトリョーシカ

清水義範には10年くらい前にはまったことがあって、多分出した本は全部読んだんじゃないでしょうか。パロディというジャンルは作者と同じかそれ以上に元ネタを理解していないと書けないんだな、と思わされた作家です。
だけど晩年になって(死んでないけど)西原理恵子との共著を出すようになってから「このおっさん、楽して稼いでるな〜」と感じて遠ざかっていました。

ドン・キホーテの末裔

ドン・キホーテの末裔

そんなわけでかなり久々に手に取ったのですが、期待以上に面白くて一気に読んでしまいました。ドンキホーテの物語とそれにまつわるエピソードの入れ子構造を逆手にとったメタ小説なんですが、その中で語られている作者セルバンテスと贋作者との関係、原作者とパロディ作家との関係、パロディを書くための苦悩など、作者自身のパロディ論に展開していく流れはまさにパロディ作家、清水義範の真骨頂といえると思います。最後のオチには脱帽、の一言。清水義範の魅力を再発見した一冊になりました。
 
58/100