日本語は難しい?

仕事で長い文章を書くこともあるんですが、書くのは好きだけど直されるのが大変で疲れます。人によって文体の好みがあるせいで、下手をすると係長で直されて課長でまた直して、部長で直されたら元の文章に戻っていた、なんてことも。
そんな話をしていたら数学はきちっとしているのに比べると国語は好みが出るからとか、英語に比べると日本語は曖昧でダメだ、みたいな話になってしまいました。う〜ん、そうじゃないんだけどな〜。
 
というわけで軽く抗議/講義。
本来日本語にもきちんとしたルールはあるんだけど、日常で使う分には誤差があっても良いから曖昧になってしまって、その使われ方が普通になってしまっている。「ちょっとアレとって」でも通じるし、通じなければ困る。数学は曖昧だと困る、というか厳密なら厳密な方がより良い結果が出るもので、違うシチュエーションで戦わせるのはズルい。どんぶり勘定と学術論文とを比べているようなもの。
日本語の簡単なルールの例を挙げると、長い修飾語がついている言葉はなるべく前に置くというものがある。

  • チーズやソーセージやハムのようなつまみとワインを買った。
  • ワインとチーズやソーセージやハムのようなつまみを買った。

この2つの文章を比べると、後者はワインもつまみの一種類に読めてしまう。こういう誤読を防ぐためのルールは(知らないだけで)いっぱいあるんですよ〜。
 
みたいな話を高校の頃の愛読書『日本語の作文技術 (朝日文庫)』丸パクりでしてたら係長から呼び出し。
「この"○○が多くなっている。そのような○○を"という部分だけど、これ改行してくれない?」
「いや、意味が繋がってるんでダメです」
「じゃあ読点で区切って"多くなっており、そのような"にして」
「あの〜、後の文章が長いんで非常にバランスが悪いんですけど・・・」
「どっちかじゃないとダメ!
(まじかよ・・・)
と言うわけで意にそぐわぬ改悪をするハメに。(これはオレの書いた文じゃない)と思いながら涙を飲んで修正しました。どうしておじさんは一つの文章で一段落にするのが好きなんだろう。多分意図的に読みづらくしているんだろうな。もしくは平易な文章を使うより偉いと思っているのかどっちかだね。