狂気^100

脳がミキサーにかけられたみたいだ。全身全霊をもって読解しようとしてもほんのわずかしか読み取ることが出来ない。我々には我々のルールがあるように、狂気を読み解くには狂気のルールをもってしなければならないということを表現したいのだろうか。

ゴーレム 100 (未来の文学)

ゴーレム 100 (未来の文学)

ストーリーはむしろおまけ。シマ博士が殺人者の正体がゴーレムだと看破するあたりや、インドゥニが二人に同情的過ぎるのもご都合主義的すぎる。
この本の魅力は(というかウリは)そんなところにはなくて、次々と繰り出されるレトリック・表現方法・イメージ・その他もろもろの文学的実験を楽しむところにある。表現が下世話だったりしつこすぎてついていけない部分も多かったけど、それでもなお最後まで一気に読ませる魅力があった。
 
しかし下品だな〜。それが悪いって訳じゃないけど、SFって筒井康隆を筆頭に露悪的な人と、アイザック・アシモフアーサー・C・クラークみたいな上品な人の両極端に別れてますよね。自分は後者が好きなんだけど、そう考えるとフィリップ・K・ディックも相当上品だったと思う。『暗闇のスキャナー』はこの本と同様ドラッグの狂気を描いた作品だけど、ディックのそれは暗くさびしく物悲しい狂気だ。ベスターのそれは明るく、全てを許された、祝祭としての狂気だ。
次は名作の誉れ高い『虎よ!虎よ!』を読みたい。というか「未来の文学」シリーズは集中読破しなければ。
 
52/100

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