ダリ展―創造する多面体

ヱヴァンゲリヲン新劇場版だけを目的にわざわざ札幌まで行ったわけではないのです(75%までそうだけど)。もう一つの目的、それがダリ展でした。ヱヴァはずっとやるけどこちらは9月6日までなので、むしろこっちがメインです。ひゅ〜、芸術の秋♪
 
入場して出るまで3時間。想像以上に良かったです。足が棒になるくらいだったけど、一枚一枚の絵に情報量が多くて、きちんと見終えるまでに時間がかかります。
好きな作品はいろいろあったけど、まずは「大きな親指、浜辺、月、腐った鳥」。砂利を使って異様な質感を表していて、見ていると不安になる作品でした。これと同時期の「雄羊(雌牛の亡霊)」もそうだけど、デフォルメされたあの鳥が不安の原因っぽい。あれはなんの象徴なんだろう。

 
「幽霊と幻影」も好き。幽霊の緻密な書き込みが背景との違和感を生んで、そのせいで現実感をあやふやにする感覚を受けました。この作品もそうですが、基本的に砂漠×青空、というのがダリの作風の一つです。サルバドール・ダリといえばよく見る、時計がだる〜んとしていたりキリンが燃えている絵なんかも同じ構図ですが、今回じっくりと見ていて、必ず背後の方に"街"が描かれていることに気づきました。
例えばこれ。「風景の中の人物と衣」という作品ですが、これも中央のあたりに街が描かれています。

「奇妙な廃墟の中で自らの影の上を心配でふさぎがちに歩き回る、妊婦に形を変えるナポレオンの鼻」でも右側に街が見えます。

10歳の頃から常人とは違うものが見えていたと言うダリにとって、街=現実の帰るべき場所の象徴という意味なのかな、とも思いましたが、それにしても後半は街が描かれなくなってるのが奇妙です。ここら辺はしっかり調べたらもっと面白いかもしれません。
 
絵画も良かったんですが立体物も素晴らしかった。なんと言ってもパリ万博の「ヴィーナスの夢」。タイムマシンがあったら是非見に行ってみたい。
ちなみに豆知識。チュッパチャップスのロゴはダリがデザインしたそうな。そんな訳で職場への札幌みやげはチュッパチャップスに決定!って本当にいいのか?(。_・☆\ ベキバキ)
ウォーキービッツスイーツ チュッパチャップス コーラ