騙されたー!!!

 見事なまでにやられた。爽快なまでの騙されっぷりに脱帽。ああ、後から考えれば伏線が目いっぱい隠されたのに〜。

アヒルと鴨のコインロッカー (創元推理文庫)

アヒルと鴨のコインロッカー (創元推理文庫)

 ミステリー要素としては時系列の絡ませ方が絶妙でした。読者は分かっているのに主人公は蚊帳の外だったり、登場人物みんなが知っていることを知らなかったり、何よりもそのおかげで怖さがものすごく深まりました。
「確実にくる恐怖………」
「人はその待つ時間にこそ恐怖する」
 という言葉もあるように*1、悲劇自体よりも悲劇がやってくる予感を感じている時間こそが一番怖い。なんでもない日常に潜む犯罪の影を表現するという点では、スティーブン・キングの作品の怖さにも通じるものがあると思いました。
 
41/100
 ところで、おんなじようなシチュエーションの話が多いような気がするのは気のせいだろうか? 仙台×大学生×交通事故(+哲学的な変な奴)。『砂漠』も似たような話だったけどさ、もしや河崎=伊坂幸太郎?とか、交通事故にトラウマがあるの?とか邪推してしまいます。ま、面白いからいいんだけど。