GWまとめ

 初回限定版買いました。

時をかける少女 限定版 [DVD]

時をかける少女 限定版 [DVD]

 寝てばっかりでは悲しすぎるので「時かけ」見ました。
 映画館で見たときは号泣だったけど、さすがに二回目となるとポロポロ程度で済みました(泣いたけど)。その時は原作読んでなかったというのもプラス要素だったけど。
 
 感想はネタバレになるから後回しにするけど、こういうすごいのを見るとアニメと比べちゃうとドラマや映画なんてほとんど学芸会だなと思ってしまいます。生身の人間がやる以上、キャスティングが固定されてしまうところに限界があるのかな、と。例えばTRICKの仲間由紀恵が好きだとしたら、ごくせんを見ても大奥を見ても「まるっとお見通しだ」って思ってしまうわけで、それは純粋な仲間ファンにとったらいいことだけど、純粋に物語を楽しむ上ではそういうイメージは不純物なわけでして。
 マンガのドラマ化がことごとく駄作ばかりなのも当然です。2次元のものを3次元に起こすとはいえ、表現力としての次元はもっとぐっと低いものにすぎないから。
 我ながら「アニヲタくさい!」とは思うけど、最近良く感じます。
 
 
 それでは本編の感想。
 
 監督も書いてたけれど、やはり主人公であるところの紺野真琴がアホな子(笑)なところが一番のツボだと感じました。最初の何分かで徹底的にドジっ娘ぶりを観客に叩き込んでおいてからのあの電車のシーン、あそこがこの映画の一番のクライマックスでしたね。こんなかわいくてアホな子は痛い目になんてあっちゃいけないんですよ。そんな子が「死んでしまう」って感じた時の映画館での自分は、全身こわばっちゃって、手すりを力いっぱい握り締めて、心の中で(ダメだーっ!!)って叫んでいました。そういう風に観客の気持ちを持っていかせるやり方がすごく上手だなと思います。
 
 それから真琴がアホを全開にしていくんだけど、10時間カラオケで歌い続けるところとか鉄板焼きを食べるところとか、笑って見ていながらどんどん自分が真琴のことを好きになっていくのを感じます(照) 映画『スピード』で、危機的な状況にある2人は恋に落ちやすいって言ってたんだけど、それと同様さっきのドキドキが残ったまま見ているせいで恋愛をしているのと同じ感覚に陥ってしまっているのでした。
 
 そんな真琴LOVE!な状況が一変するのが千昭との自転車シーンです。
「それよりうちの妹の話しようよ、うちの妹が馬鹿でさー」
「あ?俺は今功介の話をしてんだよ」
 のくだりは最高(*´д`*) ハァハァ、、、なんですが、そこから真琴が徐々に嫌なやつになっていくところがすごく良い。多分この時点で観客は、怒った表情になったり口ごもったりしながら真琴に告白する千昭の方に感情移入しちゃってるわけで、その想いを無駄にするために空回り始める真琴のことをものすごくやるせない気持ちで見てるんだと思います。
 
 で、電車2回目。
 なんの力も無くなってしまってただの高校2年生になってしまった真琴の焦りが、とても切ない。なんでも変えられるんだ!って思ってたのが全然思い通りにならなかったり、結局最後ぼろぼろになってしまうところを見ていて画面が涙でにじみました(泣) もう完全に気持ちをもっていかれています。
 
 屋上での「うわーん」もかなりぐっときたけど*1、最後に千昭に会うために「駆け足で」最後のタイムリープをする場面で二泣き目。
 
 最後のシーンはもうグラウンドのとこから泣きまくりでした。なんでそんなつらい決断をしなきゃならなかったんだ。知らないことにして千昭と付き合うことを選んでたら、たとえいつか別れてしまうとしてもずっと楽しいじゃない。一緒にナイター見に行ったり、花火大会で浴衣姿を見せたり、短い間だったとしてもなんでもできたじゃない。
 でもそうやって千昭を偽ることよりも、誠実になることを選んだ真琴がせつな過ぎます。知らなければ楽しく過ごせたけど、知ってしまった以上もう戻れない、というより、秘密を知ったからこそできる愛し方を、彼女は選んだんだと思いました。それがもう悲しすぎて泣けました。
 
 今振り返って思うと感情の持っていかせ方がすごくうまいですね。ぐらぐらと思い通りに振り回されました。でも逆に言うと感動の源が「アニメ独特の表現方法の広さ」ではなくて「脚本のよさ/演技力のよさ」なのには驚きました。最初に言ったのとは全然違う結論になってしまいましたがwww。
 ということはドラマや邦画がダメなのは作り手の質が(モガモガ)
 
 いや〜高かったけど買ってよかった!と心から思える作品でした。見るだけなら借りてきて焼いてしまえばいいんだけど、映画館で見たときのあの感動代を今払い終わったという気持ちです。
 
 あと原作の筒井康隆版「時をかける少女」ですが、全然目立たない普通の短編でした。面白くはあるけれど良くこれを映画化する気になったな、というのが率直な感想です。読んでないほうが絶対感動できるので読まないのが吉(笑)

*1:死ぬかと思ったし