もやもや

 もうちょっと謎解きが欲しかった。

失われた町

失われた町

 ページをめくっていきなりSFだったので驚きました。内容を知らないで読み始めるのは楽しいです。SFとはいえ日常的な世界の小道具としてSF的要素があるいわゆるソフトSFなんですが、そういう意味では伊坂幸太郎の「終末のフール」とすごく似ている作品だと思います。ただ用意された小道具が「小惑星の衝突」と「町の消失」では分かりにくさが随分違うので、「こういうものがあるんですよー」と必然性を提示されただけでは納得いかない部分があってもやもやが残りました。少し不親切。
 登場人物も世界観も魅力的なのに、随分と小さい輪の中で完結しちゃってるという印象です。広い世界を狭く使っているというか、つながりが濃密過ぎて結局はそのコミュニティの中だけの話になってしまってるせいで随分損をしていると思いました。
 
7/100