地球滅亡も小道具の一つ
昨日に引き続きこれも大当たり。没頭のあまり寝るのが深夜1時を回ってしまったくらい。読み終わった後でこの作品の前後の話も読みたくなるのは名作の証だと思います。
- 作者: 伊坂幸太郎
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2006/03
- メディア: 単行本
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短編の中には心温まる物語や、ユーモラスなものも含まれています。でもその背後にいつも"滅亡"という危うさが見え隠れします。主人公の無邪気な様子に微笑みながらも、まるでウレタンで包まれた刃物で首筋をなぞられているかのようなザワザワした不安感が消えないような、そんな感覚。死がいたるところに転がっていて、自分にも死がいつ降りかかってくるかも分からないけど、どうせ何年か先には死ぬのだからとまっすぐに生きようとするその姿勢が刹那的すぎてやるせなくなってしまいました。
どれも面白いけど「深海のポール」がおすすめ。死と隣り合わせに暮らす人の"死ぬことよりも怖いこと"とは何か。かなりぐっとくる作品でした。