人間対コンピューター

 Bonanza強い! いや渡辺竜王が100%勝つだろうとは思っていましたが、ここまで善戦するとは思いませんでした。家に帰って日曜日のNHK杯、月火の王将戦第7局、水曜の大和證券杯と続けて観戦したのですが、3戦とも遜色の無いレベルに見えました。タイトル者との実力差はまだ開きがあるとはいえ、ここまでの棋譜を残せるのならばコンピューターも一人の棋士として同格なのではないかと思います。
 一番印象に残った手はこの場面。
 

後手:渡辺明竜王
後手の持駒:なし
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
                                                        • +
v香v桂 ・ ・ ・ ・ ・v桂v玉
・v飛 ・ ・ ・v金v金 ・v香
v歩 ・v歩v歩v銀v歩v角v銀 ・
・ ・ ・ ・v歩 ・v歩v歩v歩
・v歩 ・ ・ ・ 歩 ・ ・ ・
・ ・ 歩 歩 ・ ・ ・ 歩 ・
歩 歩 角 ・ 歩 ・ 歩 銀 歩
・ ・ ・ 飛 ・ 金 ・ 銀 香
香 桂 ・ ・ ・ ・ 金 桂 玉
                                                        • +
先手:ボナンザ 先手の持駒:なし 手数=43 ▲2七銀引 まで ★2枚目の銀も守りに使う構想であった。 指されてみればなるほどという順で、竜王も感心している。

 
 左銀を3六まで運び、穴熊の急所をわざわざ開いてしまうところまでは「コンピューターはまだまだだな」と思うところですが、こうやって守りに収まってしまうとなるほどと手を打ってしまいます。こういう構想力は素直に素晴らしいと感じます。
 それに比べると50手目、6五歩からの角交換に渡辺竜王が7一角を期待して4二角と寄ったのはどうかと。実際プロ相手にこの局面では指さない手ではないでしょうか。確かにBonanza対策かも知れませんが、結局戻すようでは緩手であったのではないかと思います。
 
 Bonanzaを強くするためにはアルゴリズムの改良よりもCPUパワーが強くなればよい、というのが恐ろしいですね。地球シミュレータで動かしたらどうなってたことやら((((;゜Д゜)))ガクガクブルブル
 あとはこのBonanza三段リーグで戦わせてみるというのも面白そうです。いつの日かA級棋士の半分が機械で占められたり、とか全然冗談になってないですね。そうなっても人間の棋士の存在意義がなくなるわけではありませんが。
 

追記

 この熱戦に比べると王将戦第7局はあっさり終わってしまいました。端攻めをうっかり見逃すなんて・・・。最近佐藤棋聖の将棋をやたら見るので(当然か)微妙にファンになってきていただけに残念です。ボナならこんなポカも無いよね〜、なんて思ったくらいにして。