17日目

雨のせいか体調が悪い。そのせいか久々に夢をみた。

知り合いに呼び出されて外に出ると、爆笑問題の二人が自転車に乗って待っていた。
僕は二人の周りを飛び回って喜びを表現しながら、(TVの収録かな?)と考えた。すると二人は自転車で走り去っていってしまう。握手もまだもしてもらってない僕は急いで追いかけた。
二人は赤信号を無視して交差点を渡り、大きなお屋敷の方に向かっていった。門をくぐって敷地に入ると、自転車だけが玄関に至る階段の脇に残されている。どうやらこの洋館の中にいるらしい。
意を決して扉をあけるとそこは大きなホールだった。普段は結婚式場として使われているらしい。ぐるっと見回すも、いるのは従業員だけで太田も田中もいないみたいだ。諦めて帰ろうと思った時、二人がモニターから僕のことを監視しているのが分かった。
(そうか、二人を探す企画なのか。それならば帰るわけにいかないな)
帰るのをやめて一階に行こうとするとウェイターが制止する。下のレストランは貸切で宴会中だとのこと。仕方なく三階に向かうことにした。
 
三階はホコリまみれでもう何年も使われてないようだ。このフロアはもともとホテルとして使われていたらしく部屋がいくつもある。左側からは物音がするが、いやな感じがするので右側へ進んだ。しばらく行くとドアが半開きになった部屋があったので中に入ってみる。
部屋の中には布団が敷いてあって、そこにはミイラ化した人の死体が寝かされていた。
不思議に恐怖は感じない。頭のあたりを探って、丸くて光るものを見つけた。これを集めるといいみたいだ。
やり方が分かったので調子に乗って僕は、次から次へ部屋を探索する。開かない扉は蹴破り、手にした棒を振り回して襖や窓を壊し、丸くて光るものを探す。でも死体はなかなか見つからない。丸いのはミイラの頭のところにあるのだ。そこで、いったん戻って物音のする方に向かうことにした。
 
左側に進むとまた、ドアが少し開いた部屋があった。
(なんだ、アレがある部屋はあらかじめドアが開いてるんだ。悪いことをした)
あとでO.A.をみる時に恥ずかしいなと、暴れまわったことをちょっと反省しながら部屋に入ると案の定ミイラが安置してある。ところが頭のところにあるはずの丸いものが無い。あればあることが分かるのだ。無いから無いことが分かる。そこで、手に持った棒で布団をはいでみた。ミイラの胴体が露わになった。ミイラの腹部は異様に盛り上がっている。普通は肉の部分がこそげ落ちるので、胸の部分は肋骨が浮き出て腹はへこんでいるはずだ。不思議に思って覗きこむと、腹部が微妙に動いている。いや、ミイラの腹が動いてるのではなかった。落ちくぼんだ腹部の上に、何十匹という蛇の群れが渦を巻いてからまっていたのだ。
それに気づいて飛びのくが(飛びのいたのがいけなかったのかもしれない)蛇は一斉に飛びあがって棒をつたって這い上がってくる。叫びながら恐怖のあまり尻もちをつく。腕をいくら振っても蛇は振りほどけない。開いている左手をつかえばいいんだろうけど触るのがいやだ。できるならば右腕を切り離して逃げ出したい。右腕はもうカプカプ噛まれちゃってるし(あんまり痛くない)、右肩あたりまで上ってきて顔を噛もうと鎌首をもたげているのもいるし。と思っているとポロっと右腕がとれた。
畳の上に僕の右腕が、棒を握って蛇に絡み付かれたままの右腕が転がっている。蛇は不思議そうな顔をしてこっちをみている。
その隙にこれ幸いと逃げ出しましたとさ。めでたしめでたし

体の一部がとれちゃう夢はよく見る。耳とか、指とか、かかととか(すごく歩きにくかった)。
最後はいやな夢だったけど、爆笑問題に会えたんで良かった。
いや違うな。それよりも二人に会った時の大きな興奮の波に感動したといった方が正しい。その瞬間、喜びにあふれて二人の周りを舞い踊ったのは比喩表現じゃなくて、心にある気持ちが自然と手足を動かしていた。憑かれたように。幼子のように。
そこまで感情を高ぶらせることなんて、我を忘れて感情が体を支配するくらいまで高まることなんて、現実に生きててなかなか感じられるものじゃないじゃない。特にいい感情の時にはなおさら。そういう意味で(夢だけど)いい経験をしました。体調が悪くなるのも存外悪いものじゃないです。