スワップ金利

株式会社MJ(URL)から2度目のうどんが届いたのでFXのお話。
外国為替証拠金取引が宣伝されるに当たって、よく言われているのが"高金利"です。「銀行預金では手にすることの出来ない高金利をゲットしよう!」などと謳われているのをよく目にしますが、本当にそんなにたやすくお金が入ってくるんでしょうか。この場合の金利とはスワップ金利のこと。二国間の金利差のために、低金利の国の通貨を借りて高金利の国の通貨を貸すことで利子と利息の差が発生するのです。これによってUSD/JPYの場合、1万ドルあたり毎日約140円の金利収入があります。逆に米ドル売りのポジションを持つと支払いが発生します。
GFTでは毎日値洗いをするのでスワップ金利をきちんと把握しないで取引をしていましたが、今日は玉帳とスワップ金利表を見ながら計算してみました。1月23日から3月31日までの分です。

日付 EUR/JPY EUR/USD USD/JPY
1月4週 -85 228 512
2月1週 -1190 539 1179
2月2週 -475 581 1224
2月3週 1218 581 1904
2月4週 1700 830 2760
3月1週 648 0 1380
3月2週 1120 0 2720
3月3週 570 249 1904
3月4週 0 1078 2898
3月5週 0 1162 3024
合計 3506 5248 19641

米ドルをメインに取引をしているので、予想通り金額がダントツに多いです。また、1月の終わりから2月のはじめにかけてEUR/JPYのショートポジションを持っていましたが、支払いも意外とバカにならないものだと思いました。
30万円の元手に対して1月23日から3月31日まで*167日で合計28,395円の利息がつきました。年利に直すと約51%の利息になるので、確かに高金利は間違いないありません。とはいえ、これには大きな落とし穴があります。
1月に為替を始めてから現在のところ、含み益を合わせて原資から約20万円の利益が出ています。このうちスワップ金利による収入の割合はたったの13%に過ぎません。ほとんどの利益が為替差益から出ているということは、裏を返せば思惑通りに相場が動かなかった場合には、金利収入などなんの足しにもならないほどの損失が生じる可能性があるということです。また、FXにおいては「金利スワップ込みで、損益は50%」という説明もあります。

円の金利が0%、ドルの金利が3%とします(長短金利は区別せず)。本日のレートが120円としますと、

本日  120万円=10000ドル
1年後 120万円=10300ドル (1ドル=約116円)

本日から見て、1年後には120万円と10300ドルは同じ価値となるはずです。輸出入業者の「為替予約」は、この原理で行っています。外貨取引(FX)では、スワップ金利を毎日計上していますが、それは、この裁定取引を毎日行って、理論上の価値をバランスしていることになります。

ですので、外貨預金(レバレッジ1倍のFX)は、「原理的には儲からない取引」なのです。(すぐには理解してもらえないと思いますが、理論上はそのとおりです)

もちろん、実際の1年後のレートは、この数字から上にブレたり下にブレたりします。その結果として、外貨取引(FX)で儲かった、損した、という損益が発生します。

つまり、外貨取引(FX)においては、「金利スワップ込みで、損益は50%」なのです。世間で言われている、「高金利通貨は得」「FXはスワップが有利」は、物事の一面しか見ていないというべきでしょう。
本当に高金利外貨は有利か?~スワップ金利と裁定取引 : 国家破綻研究ブログ

自分もスワップ狙いで失敗したクチなので大きなことは言えませんが、やはりFXの基本は為替差益です。わずかな金利収入目当てに為替差益で大損を出してしまっては本末転倒ですから、「カンタンにお金が儲かる」という話に引っかからないように気をつけたいものです。

*1:追加入金の分はひとまず置いておくとして