投資と投機の違いって?

おとなり日記のおとなりからトラバをいただいたので、これをきっかけに投資と投機の違いについて考えてみる。

投資と投機の違いは、費やす時間の差じゃないとは思っていた。株は投資と投機の組み合わせで、外為は貯蓄と投機の組み合わせであるように思える。もちろん、競馬宝くじは投機のみ。

狙い 性質
投資 インカムゲイン ノットゼロサム
投機 キャピタルゲイン ゼロサム

ゼロサムっていうのは足してゼロの事で、片方のプラスが他方のマイナス(絶対値が等しい)。みんなが出したお金以上の価値にはならない。ゼロサムなので、売買そのもので誰かが儲かるわけではなく(儲かるのはテラ銭を取る胴元だけ)、時間をずらして売りと買いの帳尻を合わせることで、利益(損失)が確定する。割安なときに買って割高なときに売って利ざやを儲ける行為はたとえて言うならば、日本中(世界中)で株券を使ってババ抜きしている状態。値段付トランプ。企業が倒産したときにババ株券を持っていた人が割を食う仕組み。
No honto117, No life

なるほど、投資と投機を組み合わせて考えるというのは新しいアイデアだと思った。どんな取引を取り出してみても、そこには投資と投機の両方の側面がある。投資=善・投機=悪というイメージに囚われてしまっては良くないし、これは投資、これは投機と一言でまとめてしまっては思考停止に陥ってしまう。
ただ、投資の狙いがインカムゲインであるということはちょっと疑問符がついた。
株式投資で例えると、この場合のインカムゲインは配当である。しかし僕は配当は企業にとってはマイナスであるし、株主であるわれわれにとってもマイナスだと考える。収益を現金化してバラまくことが企業にとってなんのメリットがあるだろうか。それならばそのお金を再投資していただき、新しい事業や体制の強化に当ててもらった方が会社の価値をさらに上げることに繋がるし、複利の効果も得られる。そうして業績を上げた結果株価が上がることが、企業・株主の双方にとって一番喜ばしい結果だと思う。
ただ、id:honto117さんが言う"株=値段付トランプ"説は多くの真実を含んでいる。株価が企業の価値以上に膨らんでしまったとき、株式投資は投資から投機に変わり、高値の押し付け合いに変貌してしまうのだ。しかしながら株式投資の基本は売買益だろう。「この会社は伸びる」と判断した株を買い、「伸びきった」というところで売る。そうしてまた成長しそうな企業に投資を行うことで市場の活性化にも繋がる。配当を狙うのも投資だが、売買益を狙うのもやはり投資なのだ。
というわけでおとなりのおとなりさんのおかげで投資と投機の違いを考えることができたんだけど、今日の結論は「投資対象が実体を伴わなくなったとき、投機に変わる」というベタなものになりました。どこからどこまでが投資なのか投機なのかという線引きは難しいですけど、とりあえず今日のところはこれまで。