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まとめて3冊

ちょっとばたばたしていて感想文を書く余裕がなかったので3冊まとめて。 『贖罪』湊かなえ 『告白』は今年読んだ本の中でベスト3に入る凄い本だったので期待して読んでみたんだけど、これはそこまでではなかったかな。「身勝手が人をも殺す」というテーマ…

拓未司/蜜蜂のデザート

前作『禁断のパンダ』での衝撃のラストを読んだ人はみな、次回作が出るとは思っていなかっただろう。それだけにどうやって折り合いをつけるかに注目していたんだけど、そこは意外とあっさり片づけられて拍子抜け┐(´-`)┌ 個人的には主人公を次回作の犯人に仕…

太陽系外惑星に生命を探せ

宇宙人を探す話よりも、惑星の探し方や恒星系がどうやって作られるのかといった話題に重点がおかれており、タイトルに偽りがある気がするんだけど面白かった。 星の生成過程についての話が特に面白かったけど、なるほどと思ったのは「鉄より軽い元素は核融合…

宵山万華鏡

期待して手にとったけどちょいと期待外れ。確かに森見登美彦っぽいけど、本人的にそれを意識し過ぎのような。面白くなくはないんだけど技巧が鼻についた。不思議系なら『きつねのはなし』、青春系なら『恋文の技術』のように、どちらかに突き抜けている方が…

第七女子会彷徨

『それ町』でおなじみの石黒正数先生が絶賛しているとの評判に誘われて手にとってみたら大正解。かなり面白かった。基本的にはコメディなんだけど、微妙に笑えない雰囲気がたまらない。 現代よりちょっと未来の物語。常識がずれているのが面白いようで少し恐…

きのうの神様

初めて読むのに何故か既読感がある。井上荒野や三浦しをんの作風にどこか似ているような気がする。それが悪いわけではなく、女性作家独特のぞわぞわした感じが自分は好きだ。 退屈な日常がふとしたことから一変しそうな雰囲気を見せ、それに対して心の奥底に…

現代萌衛星図鑑

あれ、なぜだろう。萌え絵を見ているのに涙がとまらない。 かわいらしい表紙に隠されているのは、酸素も無い、絶対温度2度の死の世界をただ一人、その小さな体に最新鋭のテクノロジーと人々の期待と重圧を背負って飛び立つ人工衛星たちの苦悩の物語だ。故郷…

とりから往復書簡(2)

コミックビームを買いに行こうと思ったらちょうどいいタイミングでAmazonが届けてくれた。 さっそく読んでみると、17話でのとり・みき先生の唐沢なをき先生へのフリがタイムリーすぎて笑った。 唐沢さんは 思いっきしヤラセっぽい TVや雑誌の取材を 受けた…

唐沢なをき、『マンガノゲンバ』取材拒否

「ヌイグルメン!」などの作品で知られる漫画家の唐沢なをきさん(47)が、NHK衛星第2「マンガノゲンバ」の取材を途中で打ち切り、番組放送中止を要請したことが、14日、わかった。妻でエッセイストの唐沢よしこさんが自身のブログで明らかにした。…

禁断のパンダ

第6回「このミステリーが凄い!」大賞受賞作という肩書にふさわしい面白さだった。 序盤は料理の描写に引き込まれる。「口にした瞬間今まで食べてきた料理がゴミのように思えてしまう」とまで評される料理の描写が文章でできるのか、と驚いてしまった。 ミ…

六月の夜と昼のあわいに

幻想的すぎてついていけない部分もあったけど、短編集だから自分好みのものも入っていて安心。 一番良かったのは『コンパートメントにて』。二組の男女の、生と死が交錯する様の静けさが良い。全体的に文章のリズムが重視されていて読んでいて気持ちが良かっ…

僕は秋子に借りがある〈森博嗣自選短編集〉

森博嗣の小説を読んで思うのは「主人公に色が無い」ということだった。もちろん物語によって主人公たちの職業も性別も異なるのだけど、我々読者が彼らの背後から作品世界を覗き込む時には主人公が誰であろうと関係がないというか。 作家によっては主人公に色…

あっさり味で大盛り

今年一番の期待外れ。 期待と共に読み始めたけど、『鴨川ホルモー』や『鹿男あをによし』とは作風を異にしていて肩すかしをくらった気分。 一人一人の登場人物を掘り下げていくせいで持ち味の軽妙なテンポが姿を消しており、ボリュームの割に中身も薄くなっ…

思いがけずに重厚

モチーフはいつもの森見ワールドなのに、思いがけず重厚かつ暗い雰囲気ですごく良かった。 京都という古都に潜む得体のしれない怪奇をじわじわと描いている。いつものようなのんべんだらりといた学生生活とは一線を画した、京都の裏側の世界。一つひとつの短…

世界を救うのは二番目に

前半はすごく面白かった。 「とりあえず人が塩の柱になっちゃうの」押しからの怒濤の展開はすごく良かったけど、解決編からどんどん盛り下がっていく。阪急電車でもそうだったけど、物語が解決した後の後日談はいまいちだねえと思ってたら、後書きを読んで後…

魔法のようなトリック

前回『恋文の技術』を絶賛したけど、だがしかし手紙といえばやっぱり加納朋子なのだ。 駒子シリーズの第二弾。今作もやはり、駒子が日常の中で不思議に思ったことを手紙に書き、それを瀬尾さんが謎解きをするという構造は変わらない。全くの不条理に思えた謎…

マンガいろいろ

ヌイグルメン(2) やっぱり面白い。得意の不条理ギャグではなく、王道のストーリーで真っ向勝負を挑んでいるあたり、唐沢なをき畢生の作品ではないだろうかと思う。 それはそれとしてキミちゃんかわいいかわいい。 もやしもん(8) 今回はビール尽くし。…

横顔を眺むるの術

([も]3-1)恋文の技術 (ポプラ文庫)作者: 森見登美彦出版社/メーカー: ポプラ社発売日: 2011/04/06メディア: 文庫購入: 25人 クリック: 474回この商品を含むブログ (85件) を見る誰かに対して書いた手紙を通じて、1人の人間に内包されるいろんな人格、仮面の…

大事なテーマ

どんな作家にも何かしら、その作家にとって大切なテーマがあるもので。 恒川恒太郎とってのそれは「普段我々が生活している現実の、ほんのちょっと先にあるもうひとつの現実」だと理解してきたしそれが好みで読んできたわけだけど、今回のはちょっと拍子抜け…

森見ワールド全開

完全にファン向け。 美女と竹林というタイトルには「竹林で美女と乳繰り合う」というメッセージが隠されていると思うがどうか。とはいえ、美女が(本庄まなみを除き)全く出て来ないし乳繰り合うこともしないあたり、さすが森見登美彦といったところだ。 ぐ…

こじんまり?

こまけえことは気にすんな! 謎が解けると共に明かされる恐怖。人間の狂気、絶望に追い詰められた末に見いだした逃避にも近い狂気がありありと描き出されている。 ミステリというよりホラーに近いが、元々両方とも似通ったものだ。ただこの本の場合、ホラー…

直木賞受賞作発表

まさか北村薫が受賞するとは・・・。候補になりながら永遠に受賞することがない人だと思ってたよ。 以前『玻璃の天』を読んだときに(パーツはいいんだけど - 鵜の目鷹の目)、題材だけ借りてきたようでしっくりこないという印象を受けていて、今回の『鷺と…

敷居の低いミステリ

もちろんいい意味で。しかも最大級に。 『スペース』を読んで感動したので、加納朋子のデビュー作であり駒子シリーズの一作目でもある『ななつのこ』を読むのは必然であった。 ああすごい。こちらもすごく良い。 まず最初に書いた通り、ミステリの敷居が低い…

連鎖する悪意

直木賞候補作2つ目。 何気ないマナー違反が積み重なったために起きた悲劇、というテーマ。犬の糞を放置したり、重病でもないのに夜間診療を利用したり、そんな罪とも言えぬような罪が少しずつ悪事ゲージを貯めていくのが恐い。 裁くことができない犯罪が歯が…

時代物の楽しみ方が分からない

けして嫌いじゃないんだけど。 そもそも時代劇の楽しみ方ってなんだろう。 基本的に時代劇というのは、史実を元にしたフィクションだ。特にこの秋月記などは実際に存在した秋月藩をモデルにしているだけに、登場人物も史実の人間が多いのだろう(と思う。良…

オススメの恐い本

恐い恐い恐い! もう、身震いするぐらい恐い! 『告白』というタイトルどおり、物語は一人の女性の”告白”から始まる。物静かに語りだす内容が徐々に事件の核心に迫っていき・・・、ああ恐かった!と読み終えるとまた恐ろしい告白が待っている! さまざまな種…

後味がいい

電車通勤のおかげで人間らしい生活ができる。朝夕の通勤でとりあえず本は読めるから。 アサッテの人 行方不明になった叔父のことを小説に書いてみた、という私小説ふうな構成が徐々に効いてくる。あくまで伝聞でしか伝わらない”アサッテ”な叔父の実像は最後…

直木賞候補作発表

直木賞の候補作が発表されたけど、本を返すのを一日遅れた(正確には、返却日の夜に支所の返却ポストに返した)ために予約カートを利用できず鬱。全部買って1週間で読んでAmazonで売ろうかな・・・。 個人的には万城目学に受賞してもらいたいが、本命は『い…

恋はミステリー

いきなりのタイトルで悪いけど、本当にそういう感想しか思いつかないのです。 スペース Amazonで勧められ何気なく手にとって読んでみたら大正解。こういう本に出会えると(おおげさだけど)生きていて良かったと思える。登場人物たちが知らぬ間に交差し、影響…

記憶力が危うい

今週はSF尽くし。 終わりなき戦い 一言で言うと「SFを隠れ蓑にしたベトナム戦争モノ」なんだけど、そう言い切ってしまうにはおもしろすぎる。敵の攻撃で死ぬよりも訓練や味方のミスや戦闘のストレスで戦線を離脱していく兵士たち。作者自身がベトナム戦争の…

待望の三作目

いや〜ホント、待ちに待っただけあって最高に面白かった。 秋期限定栗きんとん事件 上下 前作で「ふたりでいても小市民にはなれない」と決別を誓った小鳩君と小佐内さんは今作では別行動、しかもお互いに別のパートナーを見つけて青春を謳歌するのだが・・・…

窓の外と中

仕事中、外が暗くなったと思って窓の外を見たら、人と目が合った。窓拭きの人だった。驚いた。 こちらがじっと見ていても彼らは淡々と窓拭きを済ませていく。ブラシで窓をぬらして、ワイパーで水をふき取り、ワックスをかけて終わり。こちらが見ているのが分…

在庫一掃処分

『よつばと』読んで感動したので「これは買いだな」と思ったんだけど、本棚に全然スペースがないのでもう読まないと思われる本をだだだっと処分した。 処分したといってもAmazonマーケットプレイスに出すだけなので"本棚の肥やし"が"在庫"へと変わるだけなん…

閉ざす力

”殺しのライセンス”ならぬ”表現のライセンス”を発行すべきだ! 封印作品の謎 封印作品の謎―ウルトラセブンからブラック・ジャックまで (だいわ文庫)作者: 安藤健二出版社/メーカー: 大和書房発売日: 2007/05メディア: 文庫購入: 14人 クリック: 109回この商…

アニメも見とけば良かった

狼と香辛料 (2) (電撃文庫)作者: 支倉凍砂,文倉十出版社/メーカー: KADOKAWA/アスキー・メディアワークス発売日: 2006/06/10メディア: 文庫購入: 8人 クリック: 117回この商品を含むブログ (394件) を見る1作目に引き続き面白い。 騙し騙され、商人同士の駆…

軸の違いが大違い

400kmぐらい、車だったらすぐなんだけど。 [rakuten:book:11563698:detail] XY軸がZ軸に変わっただけで大変さが大違いだ。ドリームジャンボが10回あたっても行けるか行けないかぐらいだもんな。重力の呪縛とはげに恐ろしいものよ。 というわけで本書…

こういう老後を送りたい

先週の土日はTUTAYAで借りてきたレンタルコミックに埋もれて終わった。30冊借りるとすごく安くなるからと頑張ったけど、ちょっと敬遠していた本にも手を出せて良かった。それと、レンタルコミックは古本を買うよりも、ちゃんと権利者にお金が行くのが良いね…

一緒に考え、一緒に前に進む

ひさびさに硬派なSFを読んだ。 私と月につきあって 私と月につきあって―ロケットガール〈3〉 (富士見ファンタジア文庫)作者: 野尻抱介,むっちりむうにぃ出版社/メーカー: 富士見書房発売日: 2007/01メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 28回この商品を含むブ…

メーデーにふさわしい本

2巻からぐっとおもしろくなるのでまとめ読み推奨。レッド(1) (KCデラックス イブニング)作者: 山本直樹出版社/メーカー: 講談社発売日: 2007/09/21メディア: コミック購入: 15人 クリック: 221回この商品を含むブログ (168件) を見るあさま山荘事件を中心に…

女神のガイドライン

狼と香辛料 狼と香辛料 (電撃文庫)作者: 支倉凍砂,文倉十出版社/メーカー: メディアワークス発売日: 2006/02メディア: 文庫購入: 18人 クリック: 471回この商品を含むブログ (745件) を見る扉絵を見て分かる通りヒロインは狼娘。しかもただの狼じゃなくて豊…

死を見つめる

悼む人 悼む人作者: 天童荒太出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2008/11/30メディア: 単行本購入: 9人 クリック: 104回この商品を含むブログ (169件) を見る前回の直木賞受賞作。これは文句無く面白かった。 日本中の亡くなった人のもとを訪ね歩く静人という…

やたら似てる

ダイエーで『聖おにいさん』の3巻を買って帰る途中、SK-IIのポスターを見てピンと来た。 うん、間違いなく小雪はブッダに似てる。実写化のときは ブッダ役:小雪 イエス役:ジョニー・デップ で決まりだな。 バナナは皮を食う バナナは皮を食う―暮しの手帖 …

目標達成ならず

今年の100冊読書は失敗に終わりました。今回の分を入れて79冊で終了。夏から秋にかけてちょっと中断してたから難しかった。ただ本を読むのにも100冊ともなると生半可な気持ちじゃいけないね。 晴れた空にくじら 2 戦空の魔女 晴れた空にくじら 2 戦空の魔女 …

濃い味に慣れた

桜庭一樹が(一般人と)入籍したそうな。ファミリーポートレイトを読んだときからそのような予感はしていたが・・・。自分の読み方が正しかったという確信を得たけど、ちょいとした寂しさもあったりするのです。相手は教師かな・・・? ツレがウツになりまし…

系譜を読み解く

ここのところゲームに押されているが、負けじと本を読んでいきたい。 きのうの世界 きのうの世界作者: 恩田陸出版社/メーカー: 講談社発売日: 2008/09/04メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 23回この商品を含むブログ (118件) を見るおもしろかった・・・…

嘘を紡ぐ者たち

村上春樹の『壁と卵』の話はすごかった。 作品の中で常に体制や、世の中の大きな流れに疑問を持つように訴えかけてきたけれど、その姿勢を読者に呼びかけるだけの覚悟を持って生きてきたことが証明されたように感じて、スピーチを読み終わった後しばらくは、…

今日はマンガから

ヌイグルメン! ヌイグルメン!(1) (KCデラックス)作者: 唐沢なをき出版社/メーカー: 講談社発売日: 2009/01/26メディア: コミック購入: 5人 クリック: 27回この商品を含むブログ (25件) を見る連載開始から注目していたけど、この連載には唐沢なをきの本気が…

だいぶ楽

タミフルすげーなー。もうほとんど平気だ。立って歩くとフラフラするけど、家にいる分には常人と変わらない。この調子で仕事に行っちゃったりするとちょいとした感染列島なんだろうな。それはそれでやってみたいような気もするのだが・・・。 カラスの親指 …

本を読むしかすることがない

寝ていると余計に具合が悪くなるので、居間でタオルケットにくるまってひたすらに本を読む。寝たり読んだり寝たり読んだり。 利休にたずねよ どんなノベライズ?利休にたずねよ作者: 山本兼一出版社/メーカー: PHP研究所発売日: 2008/10/25メディア: ハード…

直木賞は『悼む人』『利休に聞け』

予想はおお外れ〜。 山本兼一はこの前『千両花嫁』でノミネートしていた*1けど、直近でノミネートしてた人に受賞させる例が多いよね。直木賞でいえば、 井上荒野(『ベーコン』→『切羽へ』で受賞) 桜庭一樹(『赤朽葉家の伝説』→『私の男』で受賞) 芥川賞…