読書

桜庭一樹読書日記―少年になり、本を買うのだ。

図書館から大量に本を仕入れているんだけど、全然読む気になれないので枕もとにおいたままにしていた。 たぶん、小説の中の物語よりも現実世界でハードな出来事が起こったせいだと思うんだけど、この千々に乱れたこころを落ち着けるには活字を追っていた方が…

龍神の雨

ミスドで一気読み。 一口にミステリと言っても作家によって全然スタイルが違うよね。道尾秀介の場合は、トリック自体はシンプルだけど、心理的盲点をつくことで積極的に読者を騙そうという感じがあって好き。それぞれの登場人物の内面が語られていくけれどそ…

オレたち花のバブル組

池井戸潤3冊目。いつまでこのブームが続くか。 『オレたちバブル入行組』に続くバブルシリーズ第二弾。前作で営業部次長に昇格した半沢がまたもトラブルに巻き込まれるのだが、その原因が半沢の仕事にかける情熱の熱さ、というところがなんともニクい。 金…

ラットマン

『鬼の跫音』で一気に好きになった道尾秀介。だけど『カラスの親指』はあんまり好きじゃなかったりする。今作はどっちかな〜と思って読んでみたら、期待通りのヘビー路線で楽しめた。 うう、面白かった点については何を書いてもネタバレになりそうだけどまあ…

オレたちバブル入行組

池井戸潤にハマりすぎたんで続けて読んでみました。 期待通りものすごくおもしろい。こういう経済小説を面白いと思えるようじゃ本当におっさんだなと思うんだけど、おっさん心をくすぐるようなキーワードが散りばめられていてたまらない。 最初こそ主人公が…

鉄の骨

面白かった! 経済モノ。こういうのが面白くなるとは自分も年を取ったものだとしみじみ思ってみたり(笑) 建築業界や”談合”について、登場人物の言葉を借りて説明しながら進むので、業界のことが分からなくてもわかりやすい。談合は悪なのか、それとも、何万…

アフタヌーン3月号

ベントラーベントラーもあと2話で最終回とは。 道理でここ数回はっちゃけてたというか、ハードSF方面に好き勝手やっていたんだなあと納得。だらける前にきっちり終えたという点で評価したいけど、クタムさんがいなくなると寂しくなるなあ。 ナチュンも来月…

直木賞は佐々木譲&白石一文W受賞

ぬあ! どっちも読んでるのに感想を書く前に受賞作が決まってしまった! というわけでまずは感想を。 廃墟に乞う 北海道を舞台にした短篇集とあって、舞台となる街の風景がわかるために余計面白かった。 休職中の刑事が現場に気を使いつつ事件に首を突っ込む…

最近読んだ本

11月30日に目標(年間50冊)を達成してから全然読書記録をつけていなかった。忘れないうちにまとめておかないとね。 まずいスープ イマイチ。文章はうまいけど、雰囲気だけあって中身が無いという感じ。 疑似科学入門 イマイチ。ニセ科学関連で面白いと聞い…

よつばと(9)

北海道はマンガが来るのが遅いのです。 今年から読み始めて一気に全巻揃えてしまったけど、相変わらず密度が濃くておもしろかった。 登場人物一人ひとりの書きわけが絶妙で、毎回感心します。たとえばよつばのとーちゃん。よつばと二人きりの時のキャラと、…

晴れた空にくじら 3 浮鯨のいる空で/大西科学

シリーズ最終巻。『皇国の興廃この一戦にあり!』 最後というだけあって、いたるところで”覚悟”を要求されるスリリングな展開。これまでの科学節はなりをひそめ、雪平やクニの内面描写に力を入れていた。 戦争に巻き込まれることによって引き起こされる出来…

あるキング

微妙。 好き勝手に書きなぐったようなストーリーに萎え。伊坂幸太郎が書いているのだから読めるレベルにはなっているけれど、技巧に凝りすぎていて鼻についた。天才が育っていく過程も「生まれるべくして生まれたから」というご都合主義で浅い。 『モダンタ…

魔法なんて信じない。でも君は信じる。/西島大介

『ディエンビエンフー』で知られる西島大介が、書き下ろしの生原稿を出版社に紛失された経緯を綴った実録コミック。 原稿紛失といえば雷句誠だけど、西島氏のケースは出版社が全般的に非を認めているため、 書き下ろしだから原稿料0円! のような過激な煽り…

マンガまとめ読み

読書の秋だね。もう雪降ってるけど。 それでも町は廻っている(6)/石黒正数 初めて気がついたけど、本誌に連載しているときと単行本では掲載順を変えているらしい。その代わり歩鳥の髪の毛の長さが順不同になっているんだけど、それは気にしなくてもいい…

のはなしに

これから読む。 J-PHONE向けに配信されていた記事を本にまとめ直したものなので、一気にまとめ読みするタイプでも無いので枕元において少しずつ読んでいる。 読んでいて面白いのは、「あれ? ラジオでこの話してたな」と思う瞬間。本を編集しているうちに思…

トコトンやさしい宇宙ロケットの本/的川泰宣

その名の通りトコトンやさしくロケットが飛ぶ原理から説明してくれる。 ロケットが飛ぶためには燃料を燃やして炎を吐き出すけど、炎が地面に当たって反動(作用反作用の法則)で浮くのではなく、燃料の粒子を後方へ勢い良く飛ばすことで推進力を得る(エネル…

超能力番組を10倍楽しむ本/山本弘

と学会でおなじみの山本弘がテレビの超能力番組を真っ向から叩き切る。 「念で雲を消す」「念で相手を倒す」などのおなじみのトリック解説から始まり、超能力番組のウソを徹底的に検証していくのだが、その内容が驚き。ここまで嘘、嘘、嘘のオンパレードとは…

夜にはもっと深い夜を/鳥居みゆき

病んでいる感じが出ていて面白かった。脳内思考垂れ流しの文章がテンポ良く、死と病に満ちている内容なのになぜかサクサク読めてしまう。この『病んでるグルーブ感』は芥川賞の『乳と卵』を彷彿とさせるなあ。 文章だけでなくイラストも独特のセンスが出てい…

運命の人

桜庭一樹と吉本芸人の友野英俊が結婚したなれそめが凄かった。 桜庭が新宿でサイン会をしていた 偶然新宿にいた友野がそこに並び「芸人やってます」と自己紹介 友野が桜庭の絵を描いて、贈るための額を買いに画材屋へ 画材屋の前で桜庭と偶然会う 「あなたの…

追想五断章/米澤穂信

これまで米澤穂信というと『春季限定いちごタルト事件』のシリーズしか読んだことがなかったので、ラノベではない”普通の”小説の方にも手を出してみた。 作風の違いが凄い。限定シリーズは軽やかだけど骨太なミステリ、というノリだったけど、こちらは全編モ…

まとめて3冊

ちょっとばたばたしていて感想文を書く余裕がなかったので3冊まとめて。 『贖罪』湊かなえ 『告白』は今年読んだ本の中でベスト3に入る凄い本だったので期待して読んでみたんだけど、これはそこまでではなかったかな。「身勝手が人をも殺す」というテーマ…

拓未司/蜜蜂のデザート

前作『禁断のパンダ』での衝撃のラストを読んだ人はみな、次回作が出るとは思っていなかっただろう。それだけにどうやって折り合いをつけるかに注目していたんだけど、そこは意外とあっさり片づけられて拍子抜け┐(´-`)┌ 個人的には主人公を次回作の犯人に仕…

太陽系外惑星に生命を探せ

宇宙人を探す話よりも、惑星の探し方や恒星系がどうやって作られるのかといった話題に重点がおかれており、タイトルに偽りがある気がするんだけど面白かった。 星の生成過程についての話が特に面白かったけど、なるほどと思ったのは「鉄より軽い元素は核融合…

宵山万華鏡

期待して手にとったけどちょいと期待外れ。確かに森見登美彦っぽいけど、本人的にそれを意識し過ぎのような。面白くなくはないんだけど技巧が鼻についた。不思議系なら『きつねのはなし』、青春系なら『恋文の技術』のように、どちらかに突き抜けている方が…

第七女子会彷徨

『それ町』でおなじみの石黒正数先生が絶賛しているとの評判に誘われて手にとってみたら大正解。かなり面白かった。基本的にはコメディなんだけど、微妙に笑えない雰囲気がたまらない。 現代よりちょっと未来の物語。常識がずれているのが面白いようで少し恐…

きのうの神様

初めて読むのに何故か既読感がある。井上荒野や三浦しをんの作風にどこか似ているような気がする。それが悪いわけではなく、女性作家独特のぞわぞわした感じが自分は好きだ。 退屈な日常がふとしたことから一変しそうな雰囲気を見せ、それに対して心の奥底に…

現代萌衛星図鑑

あれ、なぜだろう。萌え絵を見ているのに涙がとまらない。 かわいらしい表紙に隠されているのは、酸素も無い、絶対温度2度の死の世界をただ一人、その小さな体に最新鋭のテクノロジーと人々の期待と重圧を背負って飛び立つ人工衛星たちの苦悩の物語だ。故郷…

とりから往復書簡(2)

コミックビームを買いに行こうと思ったらちょうどいいタイミングでAmazonが届けてくれた。 さっそく読んでみると、17話でのとり・みき先生の唐沢なをき先生へのフリがタイムリーすぎて笑った。 唐沢さんは 思いっきしヤラセっぽい TVや雑誌の取材を 受けた…

唐沢なをき、『マンガノゲンバ』取材拒否

「ヌイグルメン!」などの作品で知られる漫画家の唐沢なをきさん(47)が、NHK衛星第2「マンガノゲンバ」の取材を途中で打ち切り、番組放送中止を要請したことが、14日、わかった。妻でエッセイストの唐沢よしこさんが自身のブログで明らかにした。…

禁断のパンダ

第6回「このミステリーが凄い!」大賞受賞作という肩書にふさわしい面白さだった。 序盤は料理の描写に引き込まれる。「口にした瞬間今まで食べてきた料理がゴミのように思えてしまう」とまで評される料理の描写が文章でできるのか、と驚いてしまった。 ミ…